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2013 年度 実施状況報告書

卓上型次世代シーケンサーを用いた白質脳症の遺伝子診断法の開発と遺伝的背景の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25461287
研究種目

基盤研究(C)

研究機関横浜市立大学

研究代表者

上田 直久  横浜市立大学, 附属病院, 講師 (00305442)

研究分担者 土井 宏  横浜市立大学, 医学部, 講師 (10326035)
田中 章景  横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30378012)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード白質脳症 / 次世代シーケンサー
研究概要

白質脳症の原因となりうる約50種類の遺伝子について専用のエクソンキャプチャーキットを設計し、Illumina者卓上次世代シーケンサーMiSeqを用いた白質脳症原因遺伝子スクリーニング法の確立、エクソーム解析と比較した効率の検定を行うことを目的とした研究である。
平成25年度はカスタムキャプチャーキットの作成を行った。当初はAgilent社Haloplexでキットを作成する予定であったが、Agilent社SureSelectでカスタムキャプチャーキットの設計を行った。白質脳症に関連する遺伝子として知られる54遺伝子を選択し、5’-UTR、3’-UTRを含めた転写産物上の全配列に対象領域を設定した。対象遺伝子のうち、44遺伝子で解析対象領域を100%のカバーするベイトの設計が可能であり、残る10遺伝子についても96%以上のカバー率で設計することができた。高血圧性脳梗塞や脱髄性疾患、感染性疾患など原因の明らかな白質病巣を呈する症例は除外して、原因不明の白質脳症検体の収集を行っており、現在約40例の症例を蓄積し、カスタムキャプチャーキットを用いた症例の解析に着手しているところである。今後、既知遺伝子のスクリーニング法の確立を行い、遺伝子未同定例については白質脳症の新規疾患責任遺伝子の同定を目指す。また、白質脳症の疫学的データの集計を行い、遺伝子異常と発症年齢、臨床像、臨床経過、画像所見を含む各種検査所見など臨床情報との関連を解析することで、白質脳症の実態をより詳細に明らかにすることを目的として研究を継続する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度から27年度にかけて明らかにしたいのは次の5点を挙げていた。
1.卓上次世代シーケンサーMiSeqを用いた白質脳症原因遺伝子スクリーニング法の確立については、現在白質脳症疾患責任遺伝子54種類の全エクソンを対象としたキャプチャーキットを作成終了しており、MiSeqで解析する系の確立に着手しており、順調に進んでいる。2.エクソーム解析と比較した効率の検定については今まで蓄積してきた一般人および罹患者エクソームデータ約100例について、白質脳症疾患責任遺伝子として今回設定した54遺伝子について、カバー率、depthを算出し、Miseqを用いて新たに確立した診断系とエクソンのカバー率、depth、費用の比較を行う。また微細構造異常の検出法について検討する予定である。エクソームのデータついては既に手元にデータを収集している。3.白質脳症の疫学的データの集計については、100例を目標に原因不明の白質脳症の検体を収集し、原因遺伝子解析を行い、疾患頻度を算出し、本邦の白質脳症の特徴を明らかにする。現在は約40例程度の検体を得ているが今後も継続して検体を収集していく予定である。
4. 白質脳症の新規疾患責任遺伝子の同定および5. 白質脳症の遺伝子型-表現型の関連解析については次年度以降の課題である。
全体的に進捗状況は概ね予定通りである。

今後の研究の推進方策

1.卓上次世代シーケンサーMiSeqを用いた白質脳症原因遺伝子スクリーニング法の確立については、既に全エクソンを対象としたキャプチャーキットを作成は終了しており、Miseqで解析する系の確立に着手している。順調に進んでいるため予定通り解析を行っていく。2.エクソーム解析と比較した効率の検定については、上記のようにMiSeqの解析結果が出次第手元にあるエクソームのデータと比較し、エクソンのカバー率、depth、費用の比較を行う。3.白質脳症の疫学的データの集計については、100例を目標に原因不明の白質脳症の検体を収集しており、現在は約40例程度の検体を得ているが今後も継続して検体を収集していく予定である。4. 白質脳症の新規疾患責任遺伝子の同定については、既知の遺伝子異常が検出されなかった患者に対してエクソーム解析を行い、罹患者に共通する新規疾患責任遺伝子の同定を目指す方針とする。当研究機関の国内最高レベルのゲノム解析力を持つ本学遺伝学教室の十分な協力を得ながら進めていく予定である。5. 白質脳症の遺伝子型-表現型の関連解析については、遺伝子異常と発症年齢、臨床像、臨床経過、画像所見を含む各種検査所見など臨床情報との関連を解析する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Quantitative analysis of upper-limb ataxia in patients with spinocerebellar degeneration2014

    • 著者名/発表者名
      Naohisa Ueda, Yasuhito Hakii, Shigeru Koyano, Yuichi Higashiyama, Hideto Joki, Yasuhisa Baba, Yume Suzuki, Yoshiyuki Kuroiwa, Fumiaki Tanaka
    • 雑誌名

      Journal of Neurology

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1007/s00415-014-7353-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular epidemiology and clinical spectrum of hereditary spastic paraplegia in the Japanese population based on comprehensive mutational analyses2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Ishiura, Yuji Takahashi, Toshihiro Hayashi, Kayoko Saito, Hirokazu Furuya, Mitsunori Watanabe, Miho Murata, Mikiya Suzuki, Akira Sugiura, Setsu Sawai, Kazumoto Shibuya, Naohisa Ueda, Yaeko Ichikawa, Ichiro Kanazawa, Jun Goto and Shoji Tsuji
    • 雑誌名

      Journal of Human Genetics

      巻: 59 ページ: 163-172

    • DOI

      10.1038/jhg.2013.139

    • 査読あり
  • [学会発表] 渦巻き描記を用いた小脳性運動失調の他覚的評価法の検討(第7報)

    • 著者名/発表者名
      上田直久,波木井靖人,黒岩義之,田中章景
    • 学会等名
      第54回日本神経学会総会
    • 発表場所
      国際フォーラム(東京)

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公開日: 2015-05-28  

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