研究課題
グルコセレブロシダーゼ(GBA)の病的変異はGaucher病に関連することが知られているが,同時にパーキンソン病(PD)の発症にも関係があると報告されている.この酵素はグルコシルセレブロシドをセラミドに変換するが,病的変異型GBAは局在が変化することで、膜脂質組成に影響を与えている可能性が示唆されている.GBAの機能を阻害するconduritol B epoxide をSH-SY5Y細胞やSK-MEL細胞に投与すると、膜輸送に変化を認め、メラニン輸送やドパミン放出に異常を認めることを明らかにした。現在、ハエモデルを作成し、GBAの機能を検討しており、睡眠障害を呈する可能性を示唆する結果を得ている。そのためGBAに関連するリソソーム酵素の異常は膜輸送の異常をきたし、PDの発症に関連する可能性を考えた。これらの知見よりGBAをはじめとしたのリソソーム関連脂質代謝酵素の異常は膜輸送に関与し、PD発症に関わる可能性を考えた。リソソーム関連脂質代謝酵素に直接作用する遺伝子について検討したところ、遺伝子Xの病的変異が常染色体優性遺伝性PDに関連することを見出した。この遺伝子Xがコードするタンパクは膜輸送に関わり、リソソームの機能を障害することを見出している。また、患者の線維芽細胞は細胞内小器官の膜に障害を認め、リソソームの機能が低下していることを見出した。現在、タンパクXの機能についてデータをまとめ、論文投稿準備中である。
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