最近、我々はHTLV-1関連脊髄症患者においてHTLV-1 Taxの作用によりTregが可塑的に変化したと考えられる新規の異常T細胞を発見した。そこで本研究は、Treg特異的Tax発現マウスを用いて、この異常T細胞の病原性について個体レベルで検討することを目的とした。Foxp3発現細胞すべてにTaxを発現するマウスは6週齢以内に死亡し、一部のFoxp3発現細胞でTaxを発現するマウスは、増悪と寛解を繰り返す耳介の皮膚炎と尾の潰瘍を認めた。したがって、免疫を制御する働きを有するFoxp3発現細胞がTaxを発現することにより、個体レベルで炎症病態を惹起する病原性を発揮することが判明した。
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