研究課題/領域番号 |
25461296
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
中島 昭 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (20180276)
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研究分担者 |
太田 明 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10247637)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | チロシン水酸化酵素 / プロテアソーム分解 / 14-3-3プロテイン |
研究実績の概要 |
我々は一連の研究で、THのリン酸化制御タンパク質である14-3-3プロテインがTHの細胞内安定性(分解性)を低下させる可能性があること、および、THはプロテアソーム分解系で分解制御されていることを発見した。加えて、THのプロテアソーム分解系による分解制御には、THのリン酸化がトリガーとなる可能性を発見した。しかし、リン酸化からプロテアソーム分解に至る過程での14-3-3プロテインの役割については未だ不明である。 PC12細胞による培養細胞を用いた実験系でTHの細胞内動態を解析した。培養細胞内でプロテアソーム分解系の活性化を誘導すると、特定部位(14-3-3プロテインでリン酸化の制御を受けるSer19)でリン酸化されたTHが速やかに分解されることを明らかにしている。そこで同様の解析方法および種々の新たな解析方法を用いて実験を進めた。これらの実験結果を総合的に解釈した結果から、THはSer19でリン酸化されるとプロテアソーム分解に進むことのさらに強い確証を得た。加えて、Ser19のリン酸化を介したTHの分解速度を明らかにすることができた(THの細胞内分解については他研究室からその半減期が報告されているのみである)。また、14-3-3プロテインの役割についても解析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年4月に学内における所属が変更になり、それに伴い研究室も移動した。しばらくの間、研究室の移動と立ち上げ準備のための時間を要した。そのため、当初予定していた実験を開始する時期が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
RNAiによる14-3-3プロテインのダウンレギュレーションは一般的な方法ではあるが、発現抑制の効率が低ければTHに対する作用を十分把握することが困難となる。現時点では14-3-3プロテインの100%近いダウンレギュレーションを達成できていない。近年、14-3-3プロテインの働きをコントロールすることができる薬剤が市販されるようになった。そこで、これら薬剤を用いて14-3-3プロテインの作用を解析することを予定している。ある程度の結果が得られた段階で、14-3-3プロテインのダウンレギュレーションもしくは過剰発現を組み合わせた実験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年4月に学内における所属が変更になり、当初予定していた実験を開始する時期が遅れた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に研究室の整備は完了している。これが原因となり研究が遅れることはないものと考える。今後の推進方策に示す計画に基づき使用する。
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