近年、タンパク質の分解異常がパーキンソン病のような神経変性疾患の1つの原因であることが想定されている。加えてパーキンソン病ではドーパミン神経の変性を特徴とするため、ドーパミン代謝過程で生じるキノン類による細胞障害が注目されている。チロシン水酸化酵素はユビキチン化されてプロテアソーム分解され、この分解はSer19のリン酸化が引き金になることを本研究において証明した。本酵素のリン酸化は酵素活性を促進させるため、リン酸化による本酵素の細胞内分解の促進はドーパミン合成の点では相反する反応となる。酵素活性と分解の制御バランスの異常がドーパミン神経の障害発生において鍵となることを明らかとした。
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