研究課題
基盤研究(C)
1.患者iPS細胞の確立と神経への分化誘導すでに、予備実験で一部患者由来iPS細胞を確立していたが、本研究では、種々の異なる原因で生じる孤発性のALSや認知症も対象としており、できるだけ多くの患者のiPS細胞を樹立し、数種のiPS細胞で確認された知見を他の患者で確認する作業が必要である。このため、引き続き患者由来の線維芽細胞をiPS細胞に誘導し、新たに2例のiPS細胞を確立した。ALS患者から確立したiPS細胞を神経幹細胞さらに神経細胞へ分化誘導を行った。患者細胞では、神経突起伸展が阻害されていることが想定されていたが、実際には、明らかな伸展阻害は見られなかった。しかし、細胞内に凝集体が形成されていることが観察された。2.iPSから神経誘導におけるubiquilin2, p62の発現様式まず、基礎的情報収集のため行ったubiquilin2やp62発現に関して確認したが、iPS細胞においても、これら蛋白やそのmRNAは発現していることが証明された。また、凝集体はALS患者細胞でのみ観察された。
2: おおむね順調に進展している
新たなiPS細胞の確立も進んでおり、iPS細胞から神経への誘導、患者細胞の特徴も観察できたため。
遺伝子導入によるubiquilin2あるいはp62の発現亢進・抑制で細胞の機能障害が改善されるかを観察する。最近、ALSと認知症に関係する遺伝子としてVCP遺伝子の重要性が指摘されているので、本研究でも、患者情報の蓄積、検体の入手、あるいは遺伝子・蛋白機能解析について研究する。また、プロテアソームの活性化剤であるIU1、あるいはオートファジー促進作用のあるラパマイシンなどを用いて、蛋白凝集への影響やubiquilin2・その他蓄積蛋白の発現 (ウエスタンブロットや免疫染色)を検討する。また、飢餓(低栄養)という最も普遍的なオートファジーの賦活法も試す。反対に、プロテアソーム阻害剤やオートファジーの阻害剤で、促進効果の逆が生じるかを確認する。本研究におけるToll-like receptor 3-Trifシグナルの状態を調べ、シグナルが抑制されている場合にはmicrotubule assembly阻害作用を持つ薬剤などの効果も調べる。
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Amyotroph Lateral Scler Frontotemporal Degener
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not determined
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