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2013 年度 実施状況報告書

アデノ随伴ウイルスを用いた筋ジストロフィーに対するエクソン・スキップ治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25461303
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

永田 哲也  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 室長 (50362976)

研究分担者 岡田 尚巳  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 室長 (00326828)
齊藤 崇  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 研究員 (40625969)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードエクソン・スキップ / トランスレーショナルリサ ーチ / アンチセンス・オリゴヌク レオチド / アデノ随伴ベクター / デュシェンヌ型筋ジストロ フィー
研究概要

本年度はマウスのエクソン51スキップに対する9型AAV/改変U7 snRNA/マルチ・カセットの構築を行った。これまでに我々が示したマウスのエクソン51スキップの有効配列であるエクソン51のアクセプターおよびドナーに対するアンチセンス配列を決定した。ssAAVには、それぞれ5個づつのタンデムで発現するように作製した。またscAAVに対しては、それぞれ一種類づつ導入している。その後、マウス由来細胞C2C12で感染させ、エクソン51のスキップを確認している。両者にskipping効率に大きな違いを認めていない。その後、mdx52の前脛骨筋に対して、投与して検討した。その結果、筋肉においても2種類のベクターの両方でskippingが確認できた。ただ効果に関しては、ほぼ同等であった。AAVによる系でも充分skippingが誘導できることが確認できた。現在、長期投与によるskipping効率およびジストロフィン発現の変化について検討中である。一方で、ヒトのエクソン45-55マルチ・スキップを誘導するために、昨年まで有効なスキップを起こす配列を同定できていないエクソンに対して、ヒト由来細胞で検討を行った。具体的にはエクソン47/48/49/52/54について、skippingを起こす候補配列をモルフォリノで5-7種類づつ合成した。その候補配列を用いて効率よくskippingを起こす最適配列を確定した。その後、エクソン45から55に対するスキップさせる11種類のモルフォリノを合成して、DMD患者由来細胞を用いて、マルチスキッピングを誘導できるか検討した。2種類の細胞で45-55スキップが確認できており、現在、これらの配列を元にAAVを作成する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目標であるマウスエクソン51スキップに関しては、筋への局所投与におけるskippingを確認できており、現在、全身投与も実施中であり、順調にすすんでいると考えている。またヒトに対するマルチエクソン・スキップに関しても、skippingに必要な各エクソンの配列は決定しており、アンチセンス核酸であるモルフォリノではこれらのカクテルでのskippingは確認できており、当初の予定通りと考えている。

今後の研究の推進方策

平成25年度に引き続き、今度は対象マウスに全身投与を行い、心筋および骨格筋でskippingやジストロフィンの発現について検討する予定である。またヒトに対するマルチエクソン・スキップに関してはベクターを構築中であり、これらをDMD患者由来細胞に感染させて、AAVでマルチ・スキッピングを誘導できるか検討する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Prognostic impact of left ventricular noncompaction in patients with Duchenne/Becker muscular dystrophy - Prospective multicenter cohort study.2013

    • 著者名/発表者名
      Kimura K, Takenaka K, Ebihara A, Uno K, Morita H, Nakajima T, Ozawa T, Aida I, Yonemochi Y, Higuchi S, Motoyoshi Y, Mikata T, Uchida I, Ishihara T, Komori T, Kitao R, Nagata T, Takeda S, Yatomi Y, Nagai R, Komuro I
    • 雑誌名

      Int J Cardiol.

      巻: 168(3) ページ: 1900-1904

    • DOI

      10.1016/j.ijcard.2012.12.058.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Highly efficient in vivo delivery of PMO into regenerating myotubes and rescue in laminin-α2 chain-null congenital muscular dystrophy mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Aoki Y, Nagata T, Yokota T, Nakamura A, Wood MJ, Partridge T, Takeda S.
    • 雑誌名

      Hum Mol Genet.

      巻: 22(24) ページ: 4914-4928

    • DOI

      10.1093/hmg/ddt341.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mutation types and aging differently affect revertant fiber expansion in dystrophic mdx and mdx52 mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Echigoya Y, Lee J, Rodrigues M, Nagata T, Tanihata J, Nozohourmehrabad A, Panesar D, Miskew B, Aoki Y, Yokota T.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8(7) ページ: e69194

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0069194

    • 査読あり
  • [学会発表] Duchenne 型筋ジストロフィーに 対するエクソン53 スキップによる早期探 索的臨床試験2013

    • 著者名/発表者名
      永田哲也,齊藤 崇,清水玲子,小牧宏文, 武田伸一
    • 学会等名
      第31 回日本神経治療学会総会
    • 発表場所
      東京ドームホテル 東京
    • 年月日
      20131121-20131123
  • [学会発表] Exon45-55 を欠失した短縮型dystrophin の機能的役割 の解明2013

    • 著者名/発表者名
      谷端 淳,永田哲也,齊藤 崇,青木吉嗣, 清水裕子,中村昭則,武田伸一
    • 学会等名
      第68 回日本体力医学会
    • 発表場所
      日本教育会館 東京
    • 年月日
      20130921-20130923
  • [図書] 筋疾患診療ハンドブック:エクソン・スキップ2013

    • 著者名/発表者名
      永田哲也, 武田伸一
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      中外医学社
  • [産業財産権] アンチセンス 核酸2013

    • 発明者名
      武田伸一,永田哲也,他
    • 権利者名
      武田伸一,永田哲也,他
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2013-184193
    • 出願年月日
      2013-09-05
    • 取得年月日
      2014-03-27

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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