研究課題
パーキンは家族性パーキンソン病の原因遺伝子(PARK 2)であり、近年はミトコンドリアと関連した機能が報告されている。一方、私達は、パーキンのミトコンドリアに関連した機能について独自の研究を進め、パーキンをミトコンドリアへ運搬する未知の蛋白(Klokin1)を同定した。またパーキンは細胞の増殖状態に依存して、ミトコンドリア遺伝子の転写・複製を介したbiogenesisを促進することを見出した。本研究は、パーキンがmiRNAを介してミトコンドリアならびに核遺伝子の転写・複製に関与し得るか否かを明らかにすることを第一の目的とし、そのmiRNAの探索を通して、細胞周期、ミトコンドリアのbiogenesis、およびcarcinogenesisに関与するmiRNAを同定することを計画した。私達はパーキンとDrosha複合体との関連を免疫沈降法で検討した。その結果、ミトコンドリア分画においてもDrosha蛋白が検出された。さらに、パーキンに結合したDroshaが核分画およびミトコンドリア分画で検出された。この結果は、ミトコンドリアにおいてもpri-miRNAが存在し、Droshaの関与したmiRNAプロセッシングが起こっている可能性が示唆された。さらに、パーキンはDrosha複合体に結合し、核のみならずミトコンドリアにおいても、そのプロセッシングを担っている可能性を示すものであった。さらに私達はミトコンドリアおよび核分画においてパーキンに結合しているmicroRNAのクローニングを開始した。培養細胞の核およびミトコンドリア分画において、パーキンが結合するRNA画分をCLIP法で採取し、この画分からmiRNAをクローニング(キットを使用)により特定した。以上の結果から、パーキンがmicroRNAと関連した機能を有しておりパーキンが中心的役割を果たすと考えられた。
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