研究課題
基盤研究(C)
糖尿病は先進国における末梢神経障害の原因の最多を占める。進行期の痛みは必発であるが、適切に管理されている患者は少ない。その要因の一つとして、痛みの強さの客観的評価手段がなく、治療を開始すべき明確な基準が存在しないことが挙げられる。本研究は「糖尿病患者のしびれ~痛みに、いつから・どのように介入するのが最も効率的か?」というクリニカル・クエスチョンを解決することを目的とする。治療を開始すべきポイントは、quality of life(QOL)の低下が生じうる時点、末梢・中枢性感作が生じる以前の時点と予想される。糖尿病患者を対象に、詳細な臨床評価に加えて、QOLスコア評価・神経生理学的評価(神経伝導検査・感覚神経軸索の末梢性興奮性評価・表皮内小径線維刺激による疼痛関連誘発電位による中枢性興奮性評価)を網羅的に行い、治療開始が推奨される時期・客観的重症度を明らかにする。また、痛みの機序(末梢・中枢感作の関与等)は時期により異なることが予想される。病期に応じた病態を明らかにすることにより、治療薬の効率的な選択が可能になると予想される。本年度は、研究計画の最終調整と実施の体制整備、糖尿病神経障害の臨床・生理学的評価の検査手技の確立を行った。来年度より、患者のリクルートを本格的に開始し、症例の蓄積を一年間行う予定である。
3: やや遅れている
研究実施体制整備及び生理学的評価手段の確立に、当初の予測より時間を要した。
平成26年度より、患者のリクルートを本格的に開始、症例の蓄積を一年間行う。その後、平成27年度に、結果を解析し公表する予定である。
研究計画の立案と体制整備に時間がかかり、症例の活発なリクルートが始まっていない。そのため、検査にかかる物品費等の使用が遅れている。平成26年度は本格的な症例リクルートが開始される見込みであり、それに伴い、検査に必要な電極等の物品等を購入する見込みである。
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Clin Neurophysiol
巻: 125 ページ: 381-7
10.1016/j.clinph.2013.07.014.
巻: 124 ページ: 1465-9
10.1016/j.clinph.2013.01.020.