時間処理能力の異常を神経疾患、特に大脳基底核疾患であるパーキンソン病(PD)で検討した。用いた課題は①異なる長さの音を2つ聞かせ、その後にどちらの音が長いか判断させる課題、②ある長さの音を聞かせた後、同じ長さの時間を再生させる課題、③ある一定の間隔で鳴る音にあわせてPCのキーボードをタッピングさせる課題、の三つである。これらの課題で、PD患者では健常者と比較して差をみとめ、時間情報処理に異常があると考えられた。特に処理される時間の長さが数秒程度を超えると正常者とPD患者で差が目立つようになってくるため、数秒以下と以上の時間認知には異なる情報処理機構が関わることが推定された。
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