研究課題
本年度は、まず6-19F-GM6001(TGF-019と命名)のMMPに対するsensitivityを確認するために、MMP baqchgroundがほほ皆無であるMMP2 knockout miceの脳内にMMP2, MMP3, MMP9を5μl各々投与した後、TGF-019を経静脈投与しMRSI撮像を施行、これら3つのMMP投与部を明確に画像化できることを確認した。次に、specificityを確認するために、脳内LPS注入モデルを作成、MRSIを測定後、同一動物でin situ zymographyを施行、MRSIと比較した。その結果、MRSIで信号が検出される部位とzymographyの高反応部位は一致していた。最後に、C57BL/6マウスに中大脳動脈1時間閉塞を来した群(inschemia only群)、出血性梗塞を惹起させる為に閉塞後再開通時にt-PAを投与した群(t-PA群)、虚血後のMMP群の上昇が抑えられていることが分かっているMMP2 ko mouseに同様の閉塞を来した群(MMP2 ko群)の3群につき、中大脳動脈閉塞24時間後にTGF-019を投与し、信号強度を比較した。その結果、出血性梗塞を来したt-PA群が最も信号強度が高く、ついてischemia only群、MMP2 ko群の順に信号強度が低下した。これは別動物で行った3群についてのzumographyにてMMP2+MMP9の反応活性と一致していたが、一部で報告されているMMP3の上昇は生化学的アッセイを用いた確認では認められず、MRSIの信号強度との一致も認められなかった。以上の実験より、今回我々が開発したMR用トレーサーであるTGF-019は脳内では主にMMP2/9の活性を反映し、その活性と強い関係の認められる出血性梗塞出現の可能性を評価し得る手法と考えられた。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件)
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