研究課題/領域番号 |
25461313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊藤 瑞規 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (50437042)
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研究分担者 |
渡辺 宏久 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (10378177)
祖父江 元 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20148315)
千田 譲 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80569781)
熱田 直樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90547457)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 多系統萎縮症 / Mean diffusivity / fractional anisotropy / voxel-based morphometry / バイオマーカー |
研究概要 |
平成25年度は本研究へ参加できる症例の登録を主に行った。 名古屋大学医学部附属病院 神経内科に通院している、Gilmannの診断基準でprobable以上であり、頭部MRIの撮影が可能である多系統萎縮症(MSA)患者10名に、文章によるインフォームドコンセントを得ることができ、本研究へ参加していただいた。また、コントロールとなる7名にも、文章によるインフォームドコンセントを得ることができ、本研究へ参加していただいた。 MSA群には、臨床評価項目として神経学的診察所見(小脳失調、パーキンソニズム、自律神経障害、錐体路徴候の有無など)、臨床評価スケールとしてUnified Multiple System Atrophy Rating Scale(UMSARS)、Frontal assessment Battery(FAB)、Mini Mental State Examination(MMSE)などを評価し、頭部MRI評価のために、3.0T MR装置を用い、最適化された条件で頭部MRIを撮像した。また、コントロール群にも同様の条件で頭部MRIを撮影した。得られた頭部MRI情報から、Mean diffusivity (MD)、fractional anisotropy (FA)、voxel-based morphometry(VBM)などを解析し、MSA群とコントロール群で比較、検討した。 登録時のMD、FA、VBMはそれぞれコントロール群と比べて小脳、脳幹など、従来から変性が強く認められることが分かっている領域に明確な異常を示しており、得られた頭部MRI情報が正確にMSAの病変を示していることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度は本研究へ参加できる症例の登録を主に行ったが、予定より登録症例が少なくなっている。。 Gilmannの診断基準でprobable以上の多系統萎縮症(MSA)患者を20名程度登録する予定であったが、本年度は10名の登録しか行えなかった。また、コントロールも7名の登録にとどまり、MSA群およびコントロール群のさらなる症例の登録が望ましい。 しかしながら、本年度に登録することができたMSA群では、臨床評価項目としての神経学的診察所見や臨床評価スケールとしてのUnified Multiple System Atrophy Rating Scale(UMSARS)、Frontal assessment Battery(FAB)、Mini Mental State Examination(MMSE)などは正確に評価することができ、また頭部MRI評価はコントロール群も含め正確に評価することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は本研究への症例登録が、予定より少なかったため、平成26年度以降も新規に登録を行っていく。また、コンロトールの登録も積極的に行う。 さらに、平成26年度は平成25年度に登録した症例のうち、再検が可能な症例に対して、本年度と同様の評価を行い、同一症例での経時的な変化を検討する。 また、神経学的所見を中心とした臨床評価や、Unified Multiple System Atrophy Rating Scale(UMSARS)、Frontal assessment Battery(FAB)、Mini Mental State Examination(MMSE)などの臨床評価スケールと、頭部MRIから得られたMean diffusivity (MD)、fractional anisotropy (FA)、voxel-based morphometry(VBM)との相関なども解析していく予定である。
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