研究課題/領域番号 |
25461314
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
関口 兼司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70533793)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高密度表面筋電図 / 筋萎縮性側索硬化症 / 非侵襲的検査 / 運動単位電位 / 超音波検査 |
研究実績の概要 |
平成25年度に開発した汎用筋電計で使用できる高密度表面電極を用いて、軽度随意収縮時の表面筋電図信号の記録を健常対象者および筋萎縮性側索硬化症患者で蓄積した。電極は手内筋に配置し、運動単位が分離できるように随意収縮して10秒間記録し、オフラインで複数電極の波形変化から初回発火運動単位から第3番目発火運動単位までを視認にて同定し、最大振幅となる電極位置で得られた波形の形状を定量的に解析した。健常対照群10例に比して、筋萎縮性側索硬化症患者10例の3筋の平均の単一運動単位は振幅および陰性部分面積とも健常対象者より有意に高値であったが(振幅:703.6μV vs 192.9μV, 面積:981.2μVms vs 498.9μVms, p<0.01)、持続時間や立ち上がり時間には有意な差を認めなかった。本検査法にて簡便に非侵襲的運動単位電位記録が可能であり、実用性があると結論し、第44回日本臨床神経生理学会で発表した。また同内容を第56回日本神経学会総会教育講演で発表予定である。本検査法で筋萎縮性側索硬化症患者の運動単位を記録する際に同時に評価可能なものとして線維束電位があり、筋萎縮性側索硬化症の診断には特に重要となるため、この非侵襲的な記録も開始した。針筋電図と異なり線維束電位であるとの形態による確定が困難であるため、超音波検査図の同時記録による評価が必要となったため、AVミキサーを用いた筋電図超音波図同時記録システムを構築し、検討を始めており、今後症例を蓄積していく。 また筋萎縮性側索硬化症の評価に際して特に重要となる呼吸機能についても、針筋電図による評価には危険を伴う横隔膜機能に関して超音波図と神経伝導を用いた非侵襲的評価を検討した結果、通常の呼吸機能検査の結果と強い相関を示す結果が得られたため、その有用性を第44回日本臨床神経生理学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
安定した記録が可能な電極の開発が終了し、被験者データの集積が順調に進んでいる。新たな研究の方向性として同時に進めている筋萎縮性側索硬化症の早期診断における線維束電位測定の有用性の検討や超音波検査併用に関してもいくつかの知見が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
随意収縮による単一運動単位電位測定に関しては、さらなるデータの蓄積と、得られたデータの解析をすすめ実用性を検討していく。汎用の解析用プログラムも開発中である。同時に開始された超音波検査を併用した高密度表面電極を用いた線維束性電位の解析に関しても同様に症例を蓄積し実用性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
汎用性ソフトウエア開発の完了が遅れており、その支払いが次年度に持ち越されたため。
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次年度使用額の使用計画 |
ソフトウェア開発費用として完了し次第計上する。
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