研究課題/領域番号 |
25461338
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
清野 祐介 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80534833)
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研究分担者 |
濱田 洋司 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20293706)
大磯 ユタカ 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40203707)
恒川 新 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40612768)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | KATP channel / insulin / GIP / GLP-1 / fructose / glucose / SGLT-1 |
研究実績の概要 |
膵beta細胞においてATP感受性カリウムチャネル(KATP channel)はグルコースセンサーとしてグルコース応答性インスリン分泌に必須の役割をしていることが知られている。 本年度には、まずフルクトースにおける、GLP-1分泌,GIP分泌とKATP channelの関与について検討を行った。野生型マウス、KATP channel欠損マウスに6g/Kgのフルクトース投与を行った場合、野生型マウス、KATP channel欠損マウス共にGLP-1分泌が惹起され、KATP channelの活性化薬(ジアゾキサイド)の前投与においてもフルクトース応答性GLP-1分泌は阻害されなかった。一方野生型マウスにおいて、慢性的な高血糖条件下においては、正常血糖条件下と異なり、フルクトース応答性GIP分泌が著明に惹起されたが、ジアゾキサイドの前投与においてもフルクトース応答性GIP分泌は阻害されなかった。 次に野生型マウス、KATP channel欠損マウスに高ショ糖食、高スターチ食、通常食を15週間摂取させた際の十二指腸における糖輸送体であるSGLT-1,GLUT2の発現をreal-time RT-PCR法を用いて検討を行った。野生型マウス、KATP channel欠損マウス双方ともに、高ショ糖食、高スターチ食摂取群で通常食摂取群と比較してSGLT-1,GLUT2のmRNA発現の上昇を認めた。またグルコース応答性GIP分泌に関しては、野生型マウス、KATP channel欠損マウス双方において、高ショ糖食、高スターチ食摂取群において、通常食群と比較して分泌亢進が見られた。このグルコース応答性GIP分泌亢進は、SGLT-1の阻害薬(フロリジン)にて完全に遮断された。高ショ糖食、高スターチ食摂取群の腸管の形態は通常食群と変わりがなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フルクトースによるGIP,GLP-1分泌とKATP channelの解析を行った結果、フルクトースによりGIP分泌は高血糖の条件下で著明に上昇するものの、KATP channel非依存性に分泌されること、またフルクトースによるGLP-1分泌は、正常血糖や高血糖の双方の条件下で誘導されるがKATP channel非依存性であることなどの成果が得られ、研究成果が、Journal of Diabetes Investigationに掲載が確定した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は腸管におけるSGLT-1の制御機構とKATP channelの関連についてin vitroを中心とした解析を行う。
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