研究課題/領域番号 |
25461342
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
森野 勝太郎 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90444447)
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研究分担者 |
今村 武史 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (00552093)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ミトコンドリア / 骨格筋 / 発現調節 |
研究実績の概要 |
平成26年度における申請時の計画は「運動によるミトコンドリア増加におけるmiR-494の役割を明らかにする」ことであった。 マウスをswimmingにより持久的トレーニングする事で骨格筋は、質・量ともに変化し、これまでにPGC1-a、mitochondrial transcription factor A (mtTFA)、Foxj3、MEF2等の遺伝子が運動により増加する事を確認している。miR-494mimic試薬をC57BL/6Jマウスの右前脛骨筋に、スクランブルオリゴヌクレオチドを左前脛骨筋に注射する。この事により上記の遺伝子が変化するかどうかRT-qPCR、Western blottingで検証した。この結果、mtTFAのmRNAは変化しなかったが、mtTFA蛋白発現はmiR-494のmimicにより減少することを確認した。平行して電子伝達系のたんぱく質であるMTCOIも減少することが確認された。ミトコンドリア制御に関するマスター因子であるPGC-1や筋分化マーカーであるMyogeninのmRNAには変化がなく、筋分化そのものの変化では無い事が示唆された。 平成27年度に実施予定であった脂肪細胞におけるmiR-494の役割について平成26年10月より前倒しで実験を開始している。脂肪細胞の分化モデルである3T3-L1細胞の分化の過程と、ベージュ化刺激によってmiR-494が変化するかを検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験では、ミトコンドリアGFP発色マウスの繁殖に時間を要し、実験はやや遅れている。しかしながら培養細胞を用いた実験はおおむね順調であり、H25年度に主に実施し、現在も検討しているiPS細胞の結果は、論文投稿準備中である。 したがって、H27年度に実施予定であった脂肪細胞分化におけるmiR-494の役割に関する検討を前倒しで実施している。3T3-L1細胞の分化に関しては実験系を確立し、順調にDATAを取得している。動物に寒冷刺激を行い、モデル細胞と比較する予定であるが、動物実験についても既に開始しており、本年度中の完了を期待している。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は本研究プロジェクトの最終年度である。 H25年度実施のiPS細胞を用いた筋分化の実験は現在論文投稿準備中である。 H26年度の研究についてはこれまで取得したサンプルで十分な結果が得られない場合は、動物実験を追加する必要に迫られ、大幅に時間を要する可能性がある。そこで、研究途上ではあるが、H27年度分の実験を前倒しで実施しており、全体としては期限に間に合うように研究を進めたいと考えている。 本研究計画終了後の研究発展として、miR-494発現調節の仕組みを解明することが重要と考えており、培養細胞を用いた追加の実験を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はマウスの実験が思ったように進まず、次年度に繰り越すこととなった。また、前年度より継続して行っているiPS細胞を用いた研究で、培養細胞のメンテナンスなどのために人件費が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は物品日の購入に多額の資金が必要であると見込んでいる。特にmiR-494のmimicを動物に投与するには100万円以上の消耗品が生じる予定であり、おおむね予定どおりに使用することが予想される。
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