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2014 年度 実施状況報告書

異所性脂肪蓄積の遺伝素因と環境因子の検索と前向き追跡調査での検証

研究課題

研究課題/領域番号 25461343
研究機関京都大学

研究代表者

堀田 紀久子  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30360639)

研究分担者 北本 卓也  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (10456882)
北本 綾  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (30381627)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード非アルコール性脂肪肝疾患 / メチル化 / 次世代シークエンサー / PNPLA3 / RNAシークエンス
研究実績の概要

本年度は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)関連遺伝子領域に存在するPNPLA3、SAMM50、PARVB遺伝子の発現調節領域に存在する4ヶ所のCpG island(CpG99、CpG71、CpG26、CpG101)のメチル化解析と上記3遺伝子の発現解析を行った。NAFLD患者65名から採取した肝生検の組織からゲノムとRNAを抽出した。ゲノムをバイサルファイト処理し、PCRでCpG islandを含む領域を増幅し次世代シークエンサーでメチル化レベルを測定した。CpG26でNAFLDの繊維化に伴いメチル化が低下していることを明らかにした。CpG99では繊維化に伴いメチル化が増加し、PNPLA3の発現の低下が認められた。CpG99の変化はPNPLA3上のI148M多型のリスク型(MM)で顕著であり、IM型及びII型では繊維化によるメチル化やPNPLA3の発現の有意な変化は認められなかった。CpG26のメチル化低下はどちらの遺伝子多型でも認められた。CpG26のメチル化低下とCpG99のメチル化増加はC型肝炎での繊維化にも関連していることを明らかにし、肝臓疾患における繊維化においてこの2ヶ所のCpG islandのメチル化が重要であること、またNAFLDにおけるメチル化の変化の関与は遺伝子多型により影響を受けることを示し、論文報告を行った。
DNAメチル化チップを用いて48名のNAFLD患者の肝臓ゲノムのメチル化解析をゲノムワイドに行い、解析を行った。また、メチル化チップ解析を行った48名を含む53名の同じ肝臓組織より抽出したRNAを用いて次世代シークエンスを行った。
NAFLD発症に重要な因子であるアディポネクチン値とインスリン抵抗性に関して、ADIPOQ遺伝子上のSNPが女性においてアディポネクチン値とインスリン抵抗性に関連していることを示し、論文報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度までにターゲットのゲノム解析とエピゲノム解析(DNAメチル化、RNA発現解析)を終了し、論文報告まですることが出来た。ゲノムワイドなメチル化解析とRNA発現解析の実験をほぼ終了したので、目標を予想より早く達成している。残すは解析のみである。追跡調査も連携研究者と進めており、論文投稿中である。

今後の研究の推進方策

RNAシークエンスが終了したので、その解析を行う。解析の結果、有意差のついた遺伝子に関してはqPCRにて別サンプルで確認を行う。メチル化チップ解析結果の統計解析を行う。27年度は最終年度であるので、これらの研究について、論文にまとめいくことを中心に行う。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] ADIPOQ polymorphisms are associated with insulin resistance in Japanese women.2015

    • 著者名/発表者名
      Kitamoto A, Kitamoto T, So R, Matsuo T, Nakata Y, Hyogo H, Ochi H, Nakamura T, Kamohara S, Miyatake N, Kotani K, Mineo I, Wada J, Ogawa Y, Yoneda M, Nakajima A, Funahashi T, Miyazaki S, Tokunaga K, Masuzaki H, Ueno T, Chayama K, Hamaguchi K, Yamada K, Hanafusa T, Oikawa S, Sakata T, Tanaka K, Matsuzawa Y, Hotta K
    • 雑誌名

      Endocr J

      巻: 62 ページ: 513-521

    • DOI

      10.1507/endocrj.EJ14-0574

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Targeted-bisulfite sequence analysis of the methylation of CpG islands in genes encoding PNPLA3, SAMM50, and PARVB of patients with nonalcoholic fatty liver disease.2015

    • 著者名/発表者名
      Kitamoto T, Kitamoto A, Ogawa Y, Honda Y, Imajo K, Saito S, Yoneda M, Nakamura T, Nakajima A, Hotta K.
    • 雑誌名

      J Hepatol

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1016/j.jhep.2015.02.049

    • 査読あり
  • [学会発表] 非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)のエピゲノム解析2015

    • 著者名/発表者名
      堀田紀久子、北本卓也、北本綾、小川裕二、米田正人、中島 淳
    • 学会等名
      第2回肝臓と糖尿病・代謝研究会
    • 発表場所
      山口県下関市
    • 年月日
      2015-05-23 – 2015-05-23
  • [学会発表] 非アルコール性脂肪肝疾患感受性領域の次世代シークエンサーによるターゲットリシークエンス2014

    • 著者名/発表者名
      堀田紀久子,北本卓也,北本綾,兵庫秀幸,越智秀典,上野隆登,茶山一彰,米田正人,小川裕二,中島淳
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第59回大会
    • 発表場所
      東京都江戸川区
    • 年月日
      2014-11-19 – 2014-11-22
  • [学会発表] GCKR、TRIB1の遺伝子多型とメタボリックシンドローム及び非アルコール性脂肪肝疾患との関連2014

    • 著者名/発表者名
      堀田紀久子,北本綾,北本卓也,小川裕二,米田正人, 上野隆登,兵庫秀幸,越智秀典,茶山一彰,中島淳
    • 学会等名
      第35回日本肥満学会
    • 発表場所
      宮崎県宮崎市
    • 年月日
      2014-10-24 – 2014-10-25
  • [学会発表] Targeted next-generation sequencing and fine linkage disequilibrium mapping reveals association of PNPLA3 and PARVB with the severity of nonalcoholic fatty liver disease2014

    • 著者名/発表者名
      Hotta K, Kitamoto T, Kitamoto A, Yoneda M, Hyogo H, Ochi H, Ueno T, Chayama K, Nakajima A
    • 学会等名
      th Metabolic Syndrome, Type 2 Diabetes and Atherosclerosis Congress
    • 発表場所
      京都府京都市
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-14
  • [学会発表] 非アルコール性脂肪肝炎感受性領域の次世代シークエンサーによるターゲットリシークエンス2014

    • 著者名/発表者名
      堀田紀久子,北本綾,北本卓也,小川裕二,米田正人, 上野隆登,兵庫秀幸,越智秀典,茶山一彰,中島淳
    • 学会等名
      第57回日本糖尿病学会
    • 発表場所
      大阪府大阪市
    • 年月日
      2014-05-22 – 2014-05-24

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公開日: 2016-05-27  

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