研究実績の概要 |
①MIP-Timerマウスの胎生期膵臓から新生β細胞および成熟β細胞を単離し、TaqMan arrayにより膵臓特異的遺伝子を定量した結果、新生β細胞ではGLP-1受容体が発現していた。このことからGLP-1シグナルがβ細胞新生過程に何らかの役割を果たしていると考え、GLP-1受容体を外因性に誘導する遺伝子改変マウスを作成した結果、ガストリンおよびGLP-1受容体刺激薬(Exendin-4)存在下に腺房細胞からβ細胞へのリプログラミングが誘導されることが明らかとなった(Sasaki S et al. Diabetologia 2015;58:2582-2591)。 ②β細胞の成熟化に伴い発現が上昇する遺伝子の1つとしてGpr158を同定した。Gpr158欠損マウスをKOMP(Knockout Mouse Project)より入手し、正常飼育下およびインスリン抵抗性条件下(高脂肪食負荷あるいはインスリン受容体拮抗薬投与)での耐糖能を評価したが、随時血糖値およびブドウ糖負荷試験における血糖値の推移は対象同胞マウスと同程度であった。 ③膵腺房細胞株からインスリン産生細胞へのリプログラミングを定量化する実験系を構築し、転写因子Pdx1, Neurog3, Mafaを外因性に導入することでインスリン産生細胞が誘導されること、Pdx1をNeurog3, Mafaに先行して導入するとリプログラミング効率が向上することを見出した(Miyashita K et al. Biochem Biophys Res Commun 2014;444:514-519)。
|