本研究では、プロリン異性化酵素Pin1と肥満発症との関係について検討を行った。まず、肥満発症に関係するPin1結合蛋白を探索したところ、AMPKを同定した。 Pin1によるAMPKリン酸化への影響を検討したところ、Pin1はAMPKリン酸化を抑制した。また、その作用機序としてAMPによる脱リン酸化保護機構をPin1が解除することで、結果的にリン酸化を抑制することが明らかとなった。 さらに、Pin1 KOマウスの筋肉では、AMPKリン酸化がコントロールマウスと比較して促進されていた。以上より、Pin1はAMPKを抑制することにより、脂質代謝を制御していると考えられた。
|