糖尿病の病態形成におけるGSK-3活性制御障害の意義について解明を行った。小胞体ストレス下の膵β細胞では、過剰なGSK-3活性がATF4蛋白分解の促進を介して小胞体ストレス応答性の翻訳制御を障害し、アポトーシス誘導を増強した。一方、脂肪組織において、高脂肪食負荷によりGSK-3が活性化した。さらに、GSK-3が直接的なリン酸化を介してPPARγの転写活性を抑制的に制御することを明らにした。この結果は、GSK3がエネルギー代謝調節に重要な役割を果たすことを示唆する。以上の研究成果から、GSK-3が2型糖尿病の病態形成に深くかかわっており、有望な治療標的となり得る可能性が示唆された。
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