研究課題
基盤研究(C)
(1) ステロールセンサーSCAPの量的制御のメカニズムは報告が少ない。糖尿病状態の脳でAMPK活性が上昇していることに着目し、初代培養グリア細胞を用いて種々のAMPK活性刺激(AICAR、メトホルミン、2-DG)を加えたところ、AICAR刺激において、刺激後およそ6時間で初代培養グリア細胞のSCAPタンパク量が減少し、24時間時点において顕著な減少を認めた。48時間後においてもSCAPタンパク量の減少は持続した。2-DG添加、メトホルミン刺激のいずれの場合も刺激後24時間でSCAP蛋白量が減少した。AMPKの上流に位置するLKB1のfloxマウスから得られた初代培養グリア細胞にCreリコンビナーゼを発現させるアデノウイルスベクターを感染させLKB1欠損を誘導すると、SCAP量がわずかに増加し、AICARによるSCAPの減少が部分的に抑制された。プロテアソーム阻害薬MG132 2μMの前処理により、AICAR刺激によるSCAP減少が抑制された。(2) ドイツKirchhoff研から分与されたGFAP-CreERT2マウスとSCAP floxマウスを交配し、アストロサイト特異的誘導型SCAP欠損マウスを作成した。本マウスから得られた初代培養アストロサイトにおいてSCAP欠損を誘導できることを確認した。現在、個体レベルでの表現型を解析中である。(3) SREBP-2 floxマウスを神戸理研との共同開発により作製し、現在系統樹立中である。
2: おおむね順調に進展している
複数の組織特異的欠損マウスの作製および解析に向けて進展している。
作製したマウスの表現型の評価を通じて、糖尿病状態での脳におけるSCAPおよびSREBP-2減少に関する解析を進める。さらに、リピドミクスでの網羅的解析を進捗させる。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)
Molecular and Cellular Biology
巻: 34 ページ: 1290-1299
10.1128/MCB.01647-13
J Med Case Rep
巻: 8 ページ: 51
10.1186/1752-1947-8-51
PLoS Biol
巻: 11 ページ: e1001532
10.1371/journal.pbio.1001532