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2014 年度 実施状況報告書

糖尿病が惹起する脳エネルギー代謝異常と脳脂質代謝異常

研究課題

研究課題/領域番号 25461373
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 亮  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20396732)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード糖尿病 / 脳脂質代謝 / コレステロール合成 / AMPK
研究実績の概要

(1) ステロールセンサーSCAPの量的制御のメカニズムについて引き続き検討を行った。糖尿病状態の脳でAMPK活性が上昇していることに着目し、初代培養グリア細胞を用いて種々のAMPK活性刺激(AICAR、メトホルミン、2-DG)を加えたところ、AICAR刺激において、刺激後およそ6時間で初代培養グリア細胞のSCAPタンパク量が減少し、24時間時点において顕著な減少を認めた。プロテアソーム阻害剤MG132やSCAPの細胞内輸送を阻害するFatostatinの前処理によって、AICAR刺激によるSCAP減少は抑制された。S1P阻害薬によるSCAPの減少も同様にMG132、 Fatostatinの前処理によって抑制された。AICAR刺激において、AMPKの活性化によるプロテアソーム系の分解がSCAPの減少に関わっており、AICARによるSCAPの分解には一旦小胞体から外に輸送される必要があると考えられる。S1P阻害によるSCAPの減少においても、プロテアソーム系が関わっており、SCAPの量制御においてプロテアソームは重要であると考えられる。
(2) ドイツKirchhoff研から分与されたGFAP-CreERT2マウスとSCAP floxマウスを交配し、アストロサイト特異的誘導型SCAP欠損マウスを作成した。本マウスモデルでは、成長後にタモキシフェンを投与しSCAP欠損を誘導することで、発生段階での影響を除外することができる。種々の行動実験を実施し、本マウスのアストロサイトにおけるSCAP欠損誘導後の行動異常について興味深い表現型を確認している。
(3) SREBP-2 floxマウスを神戸理研との共同開発により作製した。引き続き系統樹立を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

複数の組織特異的欠損マウスの作製および解析に向けて進展している。

今後の研究の推進方策

作製したマウスの表現型の評価を通じて、糖尿病状態での脳におけるSCAPおよびSREBP-2減少に関する解析を進める。さらに、リピドミクスでの網羅的解析を進捗させる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Differential effects of angiopoietin-like 4 in brain and muscle on regulation of lipoprotein lipase activity2014

    • 著者名/発表者名
      Vienberg SG, Kleinridders A, Suzuki R, Kahn CR
    • 雑誌名

      Molecular Metabolism

      巻: 4 ページ: 144-150

    • DOI

      10.1016/j.molmet.2014.11.003

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Deregulation of pancreas-specific oxidoreductin ERO1β in the pathogenesis of diabetes mellitus2014

    • 著者名/発表者名
      Awazawa M, Futami T, Sakada M, Kaneko K, Ohsugi M, Nakaya K, Terai A, Suzuki R, Koike M, Uchiyama Y, Kadowaki T, Ueki K
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Biology

      巻: 34 ページ: 1290-1299

    • DOI

      10.1128/MCB.01647-13

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 糖尿病における認知症の発症機序と病態2015

    • 著者名/発表者名
      鈴木亮、門脇孝
    • 学会等名
      第49回糖尿病学の進歩
    • 発表場所
      ラヴィール岡山(岡山)
    • 年月日
      2015-02-20
    • 招待講演
  • [学会発表] 糖尿病と中枢神経系・認知症2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木亮、門脇孝
    • 学会等名
      第29回日本糖尿病合併症学会
    • 発表場所
      都市センターホテル(東京)
    • 年月日
      2014-10-04
    • 招待講演
  • [学会発表] 脳グリア細胞におけるAMPK活性化は複数の機序を介してステロールセンサー分子SCAPを減少させる2014

    • 著者名/発表者名
      渡辺隆介、鈴木亮、亀井望、齋木邦子、周聖浦、寺井愛、原口美貴子、門脇孝
    • 学会等名
      第29回日本糖尿病合併症学会
    • 発表場所
      都市センターホテル(東京)
    • 年月日
      2014-10-04
  • [学会発表] 脳グリア細胞におけるAMPK活性化刺激は複数の機序を介してステロールセンサー分子SCAPを減少させる2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木亮、渡辺隆介、亀井望、齋木邦子、周聖浦、寺井愛、原口美貴子、門脇孝
    • 学会等名
      第57回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル(大阪)
    • 年月日
      2014-05-24
  • [学会発表] 脳の脂質代謝と糖尿病2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木亮
    • 学会等名
      第87回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡)
    • 年月日
      2014-04-25
    • 招待講演
  • [備考] Kadowaki Lab website

    • URL

      http://dm301k.umin.jp/index.html

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公開日: 2016-05-27  

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