血管石灰化の発症・進展におけるマクロファージのHIF-1の役割について検討した。アポEノックアウトマウスにおいて動脈硬化病変内の低酸素領域にマクロファージが局在するとともにoncostatin M (OSM)の発現が確認された。OSMはJAK3-STAT3シグナル伝達経路を介して血管平滑筋細胞の骨芽細胞への分化を促進した。一方、HIF-1はマクロファージにおけるLPSによるOSMの誘導反応に対して抑制的に作用した。したがって、マクロファージにおけるHIF-1はOSMの発現を低下させることにより血管石灰化の発症に抑制的に作用する可能性が示唆された。
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