研究課題
1.遺伝子解析新たに6例の中枢性甲状腺機能低下症について、IGSF1遺伝子異常、中枢性甲状腺機能低下症を起こし得る遺伝子について解析を行った。2例は生後早期よりショック、胆汁鬱滞性肝炎を起こした重症例の兄弟例で、複合型下垂体ホルモン分泌不全症、1例は成長障害、精神運動発達遅延を認めた複合型下垂体ホルモン分泌不全症、3例はTSH、PRLの分泌不全を示し、哺乳障害、黄疸遷延を契機に診断されている。このうち2例は兄弟例である。1例のTSH、PRL分泌不全を示す症例でIGSF1遺伝子にp.Q905Xの変異を同定した。TSH、PRLの分泌不全を示す兄弟例については現在検討中である。この3例では乳児期よりの原因不明の肥満を示していた。乳児期よりの肥満はIGSF1異常の特徴的所見とされているが、その原因は不明である。今後の検討が必要である。また成長障害、精神運動発達遅延を認めた複合型下垂体ホルモン分泌不全症でWDR11 遺伝子 exon 2にヘテロ接合性のミスセンス変異(c.103A>G, pI35V)を認めた。この変異WDR11の機能、IGSF1とWDR11の下垂体での発現、相互作用について検討を開始している。2.In vitro解析GH3細胞にPOU1F1プロモータールシフェラーゼベクターとIGSF1遺伝子を共発現を行い、アクチビン、TGF-βによる刺激で、POU1F1プロモーターのルシフェラーゼ活性を検討したが、活性化はわずかであった。また各IGSF1変異体(R1189X,V1082E, Q665X) とのルシフェラーゼ活性の差は認めなかった。
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Clin Pediatr Endocrinol.
巻: 25 ページ: 1-8
10.1297/cpe.25.1.
巻: 24 ページ: 167-173
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