1)Gs共役受容体シグナルクロストーク/脱感作と制御・イメージング:①RhoAとRhoGDIの変異体を用いRhoGDIのリン酸化が主たるシグナル抑制制御機構であることを解明した。②Gs共役受容体の脱感作とシグナル分子の解析:(a)V2受容体の新規疾患変異体を発見解析し、アゴニストによる脱感作とシャペロン効果を検討した。(b)連動するarrestinなどの局在変化、受容体分子の内在化をイメージングした。③NO供与体によるnitrosylationによる脱感作抑制を多数の新規合成化合物で検討し、構造活性相関を検討した。今後の分子標的薬創薬と検証ツールへの応用が期待される。 2)AT1をモデルとする臓器障害シグナルとメタボリックシンドロームモデル系での検討。①AT1発現マクロファージと脂肪細胞の共培養系を作成、パラクライン細胞間クロストーク、炎症マーカーの作動の検討開始。②ARBのdual action、すなわちAT1に対するインバースアゴニスト活性及び脂肪細胞に対する抗炎症作用を定量解析した。③さらに抗Mets作用が期待されるアルドステロン拮抗薬、インスリン抵抗性改善薬の効果を検討が可能となった。今後、動物モデルへの応用を含め、AT1とインスリン抵抗性惹起機構との相関と治療法開発への示唆を得ることが期待される。また、マクロファージの新規共培養系による疾患メカニズム解析への展開も期待される。
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