本研究期間にインスリン分泌機構に関する以下の2つの成果を得た。 1)ブドウ糖によるインスリン分泌はCa2+チャネル阻害薬とATP感受性K+チャネル開放薬で抑制されるが、細胞内cAMPを増加させた条件下では、ブドウ糖は急峻なインスリン分泌を惹起した。一方細胞内Ca2+濃度は急峻に低下した。2)膵β細胞に発現している甘味受容体の特異的阻害薬であるlactisoleが膵β細胞からのブドウ糖によるインスリン分泌、 [Ca2+]iの上昇、細胞内NADHの上昇を抑制した。これらの結果からlactisoleが膵β細胞における甘味受容体の機能解析に有用なツールになることが示された。
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