• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

摂食調節における遊離脂肪酸の役割に関する基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 25461385
研究種目

基盤研究(C)

研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

有安 宏之  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50378650)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード内分泌学
研究概要

初年度は、中鎖脂肪酸含有食がマウスの血漿グレリン濃度に与える影響を検討し、同時に摂餌量を観察した。SAP-promoter下で、Ghrelin cDNAとGOAT cDNAを過剰発現させ、肝臓でactiveなghrelinを過剰産生するマウス(Ghrelin-Tg)を作製し、それにC8脂肪酸を含有する餌を4週間給仕した。その際の野生型マウス(WT)の血漿グレリン濃度は、標準食摂餌下に比べて約2倍に上昇していた(標準食群 約100fmol/ml vs. C8含有餌群 約200fmol/ml)。一方、Ghrelin-Tgの血漿グレリン濃度は、WTに標準食を与えた場合の約20倍に上昇していた。それにもかかわらず、Ghrelin-Tgの摂餌量は増加していなかった。実験開始時、我々は循環血中のグレリン濃度の上昇によって摂餌量が増加すると予想していたが、得られた結果はそれに反するものだった。そこで我々は、血漿グレリン濃度の上昇が摂食促進作用を発揮する濃度に到達していなかった可能性や、脈動的ではなく持続的な血中グレリン濃度の上昇では摂食促進作用を発揮しえ得なかった可能性を考え、浸透圧ポンプを利用してWTにグレリンを、0.09、0.17、0.35、1.00mcg/hの速度で、5日間持続投与した。マウスの血漿グレリン濃度は、容量依存性に上昇し、0.35mcg/h投与群で中鎖脂肪酸含有食摂餌下のghrelin-Tgの血中濃度に匹敵する濃度になり、その際の摂餌量は生食群と比較して有意に増加していた。以上の結果から、中鎖脂肪酸含有食下において、Ghrelin-Tgの摂食が増加しなかったのは、グレリン血中濃度の上昇が不十分、もしくは恒常的にグレリンが分泌されていた為、という仮説は否定された。現在、中鎖脂肪酸添加餌そのものが、グレリンの摂食促進作用を阻害している可能性について検討を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験計画当初に予定した平成25年度の実験計画を遂行することができ、次年度への準備も整っているため。

今後の研究の推進方策

平成25年度に引き続き、摂食調節における脂肪酸の意義を検討するために、脂肪酸の鎖長の違いが、摂食関連ペプチドの分泌や作用発現に影響を与えるのか、という点を検討する。そこで、様々な鎖長の脂肪酸を含有する餌や脂肪酸の飽和・不飽和度を変化させた餌を作成し野生型マウスや摂食関連因子の遺伝子改変動物与え、①摂食行動解析 ②エネルギー消費についての解析 ③ホメオスタティックな摂食調節系(視床下部)の解析 ④報酬的摂食行動の解析 ⑤脂肪酸の鎖長の違いや飽和・不飽和度の違いが与える、摂食調節因子投与時の摂食行動への影響の解析 といった検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、3年間の研究計画の2年目であるため。
研究経費の主要な用途は、動物実験(動物飼育管理費用を含む)、ペプチドおよびアンタゴニストなどの試薬類、mRNA発現を検討するためのRNA抽出キットおよび定量的RT-PCRの試薬類、血液サンプルのレプチン、グレリンなどのホルモン測定キットなど、主に消耗品費が予定している。

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi