研究課題
前年度までの研究成果により、アディポネクチンは生体内においてもT-cadherin蛋白と結合することを明らかにした。そのメカニズムとして、GPI-アンカー蛋白切断酵素であるGPI-PLDに着目し研究を遂行した。現在、GPI-PLDノックアウトマウス及びGPI-PLD過剰発現アデノウイルスを作製し、解析を進めている。同時に、アディポネクチンのT-cadherin蛋白への結合部位を明らかにするため、T-cadherinのdeletion mutantを数種類作製し解析を行っている。以前の研究において、アディポネクチンは単球やマクロファージに結合する可能性が示されている。しかしながら、このような免疫細胞へのアディポネクチンの集積が生体内においてどのように行われているかは不明である。そこで、生体内におけるアディポネクチンと免疫細胞との動的相互作用を明らかにするため、その第一歩として脂肪組織マクロファージの生体イメージングを試み、その手法を確立した。本解析により、超短期間での過栄養負荷により脂肪組織マクロファージが動的に活性化されること、そのinitial triggerとして新たな脂肪細胞分泌因子S100A8を同定した。興味深いことに、血中のS100A8とアディポネクチンとは逆相関を示していた。現在、蛍光蛋白を付加したアディポネクチンを作製し、生体イメージングを行っている。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Proc Natl Acad Sci U S A.
巻: 112 ページ: E2058-E2066
10.1073/pnas.1409480112.