研究課題/領域番号 |
25461387
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
吉田 明雄 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (90158428)
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研究分担者 |
鈴木 幸一 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター、感染制御部, 室長 (20206478)
久留 一郎 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60211504)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | pendrin / ELISA / Immunopercipitation / Graves disease / Hashimoto thyroiditis / painless thyroiditis / subacue thyroiditis / anti-pendrin antibody |
研究実績の概要 |
抗ペンドリン抗体測定のため、ELISA,IP,などを条件を変えて行ってきた。抗ペンドリン抗体がウエスタンで陽性(以下陽性)と陰性(以下陰性)のサンプル間で、ある程度の差は出るようになったが、どの方法をとっても、バックグランドが大きくなかなか安定した値が得られなかった。ペンドリンをNanolucで標識し、抗体をプロテインGでトラップしたIPを行いIgGサイドのバックグランドと関係なく結果が得られるように方法を変えたが、ペンドリン自体が、ビーズ、ウエルなどIgGをトラップする物質に結合し、この方法でも逆にバックグランドが高く安定した結果が得られなかった。血清を使う限り、この高いバックグランドをのぞくことは困難と考えざるを得なかった。磁気ビーズは96wellでも行えるようになっている。少量の血清からIgG精製が簡単におこなえる。バックグランドをのぞくための洗浄時間を延長する時間より、多検体からIgGを精製する時間ほうがはるかに時間もかからず、容易であり、安定した結果が得られることがわかった。以後、血清をサンプルとして用いることをやめ、IgGを精製して用いることとし、まずIgGと血清を用いて、抗ペンドリン抗体をウエスタンブロットで測定した。血清の場合洗浄時間が短いとほとんどバンドを認識できずまた延長しても条件によっては結果がなかなか得られなかった。IgGを用いると、洗浄時間は極めて短時間にもかかわらず、きれいな抗ペンドリン抗体のバンドが得られた。改めて、患者血清中の抗ペンドリン抗体の存在を確実に確認することができた。これまでの予備実験では、IgGを用いることにより、IP,ELISAその他の方法で良好な結果が得られることは示されている。さらに方法を改良し、ベストの方法を選ぶことが今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ELISA,IPなどでバックグランドが高く測定が困難なことは予想の範囲であるが一応様々な方法を行いってみなければいけなかった。これはサンプルとして血清を用いるのが多検体の場合最も簡単な方法であり、一般検査としての汎用化に重要であるからである。予想どうり血清を用いることにより測定系の確立は困難なことが証明された。一方血清よりのIgG精製は様々な簡便な方法が開発されており、血清を用いてバックグランドをのぞく時間よりははるかに簡便におこなえる。これによりこれまで行ってきた方法を用いれば、抗ペンドリン抗体を確実に測定できる見通しはついた。予備実験でも良好な結果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
ペンドリンタンパクの膜発現分画よりの抽出法、デタージェントの使用法。改良型のELISA法はある程度見通しがついた。現在数種類の方法を候補としている。後は方法をさらに改良し、どの方法がベストであるかを検討する段階に入っている。今年度前半には方法を確立し、患者血清よりのIgGを用いての各疾患の抗ペンドリン抗体陽性率を出せるようにする予定である。今年度中には予定された目標を達成できるものと考えている。特許取得を目的の一つとしているため学会発表や論文発表は今のところ控えているため実績として報告できない。
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次年度使用額が生じた理由 |
予算額150万円のうち残額は3080円で物品が安価に購入できたためと考える。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の予算と合わせて試薬等の購入に有効利用する。
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