食の嗜好記憶形成に関して、若齢期マウスへの高脂肪食給餌が、通常食給餌群と比較して、成獣期の海馬におけるERストレス関連蛋白および遺伝子発現の亢進傾向が認められ、さらに4フェニル酪酸(4PBA)を供投与することで、その発現が通常食給餌群のレベルまで回復した。一方、扁桃体においては、ERストレスの明らかな発現そのものが見出せなかった。海馬のprimary cultureでは、パルミチン酸の添加がERストレスの発現を有意に亢進させ、神経突起成長速度の減弱傾向が認められた。さらに4PBAを前投与した群は、パルミチン酸によるERストレスの発現が抑制され、神経突起成長速度の回復傾向が認められた。
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