研究課題
従来の据置型照度計と独自に製作したアイレベル照度・短波長ロガーを用いて2日間の夜間光曝露測定を実施した。従来型の据置型照度計で測定した夜間曝露照度は中央値0.59 lux (四分位範囲, 0.05 to 3.22 lux)であった。それに対し、アイレベル照度・短波長ロガーで測定した夜間曝露照度は中央値0.84 lux (四分位範囲, 0.27 to 3.01 lux)で、据置型照度計で測定した夜間曝露照度の中央値よりもやや高かった。また、アイレベル短波長パワーは中央値2.30 x 10(-5) mW/cm(2) (四分位範囲, 0.29 x 10(-5) to 13.5 x 10(-5) mW/cm(2))であった。据置型照度計で測定した照度とアイレベル照度の間に中等度の正の関連を認め(相関係数 0.67)、アイレベル照度とアイレベル短波長パワーの間に強い正の関連を認めた(相関係数 0.94)。夜間光曝露とメラトニン分泌量に関する多変量解析モデルで、夜間曝露照度(据置型・アイレベル照度)はメラトニン分泌量と有意な関連を認めなかったが、アイレベル短波長パワーはメラトニン分泌量と有意な負の関連を認めた(β = -0.068, P = 0.049)。さらに夜間光曝露量と健康指標(睡眠の質、夜間血圧、夜間排尿回数)の間の関連は、アイレベル照度・短波長ロガーで測定した照度・短波長パワーの方が据置型照度計で測定した照度より回帰モデルの適合度が高かった。このことから、従来の据置型照度計よりもアイレベル照度・短波長ロガーの方が精度よく生体への影響を及ぼす夜間光曝露を測定することができると考えられた。これらの結果は当初予定対象者数より少ない分析対象者数(n = 580)であったが、研究目的を達成できたため対象者の追加を行わなかった。本研究の成果として複数の関連研究が学術誌に論文が採択された。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) 産業財産権 (2件)
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