研究課題/領域番号 |
25461395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
豊島 秀男 埼玉医科大学, 医学部, 客員准教授 (20197966)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 糖尿病 |
研究概要 |
近年、消化管ホルモンの1つであるGLP-1を標的とした糖尿病治療薬が臨床応用されるようになり、糖尿病の治療を大きく変える可能性が注目されている。我々は、これまでに新規消化管ホルモンの探索を行った結果、候補として新規消化管特異的分泌タンパク遺伝子IBCAP (Intestine-derived Beta-Cell Augmenting Promoter)の同定に成功し、その解析を進めてきた。このIBCAPは機能の一部として、膵臓β細胞増殖促進作用を持つことをこれまでに明らかにしてきており、糖尿病治療標的となり得る可能性を秘めている。そこで本研究では、IBCAPの生理的意義を明らかにすることで、生活習慣病、特に糖尿病の病態のより詳細な解明および治療への発展を目的として行った。 IBCAPは、切断を受けて活性体ペプチドとなる可能性が示唆されていることから、その1次構造の決定を目指しIBCAP強制発現細胞培養上清からの精製、LC-MS/MS解析を行った。その結果、活性体候補ペプチドの1次構造を決定した。 この活性体ペプチドを用いて、膵β細胞増殖および分化に関わる解析を行ったところ、増殖促進作用、分化誘導促進作用が示唆された。 以上の結果より、IBCAP活性体が糖尿病治療や再生治療に結びつく可能性が考えられたが、今後の詳細な検 討がまだまだ必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、IBCAP活性体ペプチドの1次構造を決定した。この配列の合成ペプチドを作製し検討したところ、膵β細胞増殖促進作用を確認した。さらに、ヒトiPS細胞からの膵β細胞への分化誘導においても効果を示すことを明らかにしつつある。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた結果を基に、まずIBCAP活性体ペプチドを用いて今回決定したペプチドが糖尿病治療に有効か否かについての検定を行う。さらに、IBCAP受容体の探索、および、活性体ペプチドに対する抗体を作製しタンパク質での評価することで、IBCAPの機能解析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
特に動物実験に関して条件検討が予想より早く終了したため。 また、会計締め切り時期がが2月中旬だったために次年度使用額が生じた。 今年度の使用計画は、大半が分子生物学実験試薬・消耗品と動物実験・マウス飼育関連費用である。その他として、学会発表のための旅費を使用する予定である。
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