研究課題
糖尿病モデルマウスにおけるミネラルコルチコイド受容体(MR)の糖鎖修飾とMR活性化の検討(1)体重、血糖値、血圧、MRおよびMRシグナルの検討の検討レプチン受容体欠損させた2型糖尿病モデルマウス(db/db)を用いて腎臓組織におけるMRの発現および糖鎖修飾(O-GlcNAc)の状態を検討した。その結果、db/dbマウスは対照(db/+)マウスと比べて体重の増加(42±2g vs.25±0g)、血糖値の増加(129±6 vs. 449±23mg/dL)を有意に認めたが、収縮期血圧は有意差を認めなかった(110±5 vs. 120±4mmHg)。次に、腎組織におけるMR蛋白レベルをWestern blotにて検討したところ、db/db腎ではdb/+腎と比べてMR/beta-actinレベルの有意な増加を認めたが、MR mRNAレベルは有意差を認めなかった。さらに、MR標的遺伝子mRNAレベルをRT-PCRで検討した結果、sgk1 mRNAレベルはdb/dbにて有意な増加を認めたが、ENaC, TGFbeta, MR mRNAレベルには有意差を認めなかった。以上より、db/dbマウス腎臓では、in vitroの検討と同様にMR蛋白レベルの増加と下流のMR標的遺伝子が選択的に活性化されていることが示された。(2)O-GlcNAc修飾とMRシグナル活性化の検討さらに、O-GlcNAc修飾におけるGFAT阻害薬DONを用いて、①db/+, ②db/+ + DON, ③db/db, ④db/db + DONの4群に分けて検討した。すると、③db/db群では、①、②と比べて明らかにMR蛋白レベルが増加し、④db/db+DON群にてMR蛋白レベルが①、②と同レベルまで減少した。さらに、MR標的遺伝子のsgk1/beta actin蛋白レベルも並行した変化を認めた。 以上より、糖尿病モデルマウスでは高血糖により腎組織においてMRのO-GlcNAc修飾が増加し、MR蛋白分解の抑制により発現レベルが増加することが、MRシグナル活性化をきたし、特にsgk1の発現が選択的に誘導されることが示され、糖尿病における腎障害の分子機構の一部が個体レベルでも明らかとなった。
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