研究課題
本研究は悪性リンパ腫のmiRNAの発現と機能解析について以下の2つの目標を掲げた。(1)「miR-150の多臓器浸潤に関わる標的蛋白」の同定をおこなう。miR-150導入T細胞リンパ腫細胞株にたいして網羅的遺伝子探索による標的遺伝子を同定したのち、標的遺伝子・蛋白のsiRNAによる浸潤抑制効果を検証し、miR-150の新たな標的分子を同定する。(2) 「リンパ腫SP細胞とmiRNA」に関して、悪性リンパ腫患者検体と細胞株のSP細胞の網羅的miRNA・遺伝子発現解析を行い、候補miRNAや遺伝子を絞り込む。さらに、標的遺伝子・蛋白のsiRNAを用いてin vitro(細胞株)、in vivoでSP細胞抑制効果を検証し、SP細胞を標的とする鍵miRNA/分子とその標的遺伝子・蛋白を同定する。本研究では、主に(1)と(2)に関して以下の成果をだした。(1)としては、miR-150の標的分子としてCCR6を同定し、報告した(Ito et al., 2014 Blood)。また、CCR6とそのリガンドであるCCL20の関係についてもSTAT3を介するシグナル伝達を証明して報告した(Ikeda et al., 2016)。また、現在、HDAC阻害剤をもちいてmiRNAの発現について実験を行っており、HDAC阻害剤がmiR-150の発現を元に戻す作用を証明していて、論文を投稿中である。(2)に関しては、マントル細胞リンパ腫のSP細胞でmiR-16が発現低下しており、Bmi-1を介してNoxaなどの蛋白の発現を調節し、抗アポトーシスに働くことを証明した(Teshima et al., 2014)。以上、研究は概ね当初の目的を成し遂げており、現在の発展的な研究に結びついている。
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