研究課題
本研究は急性白血病および悪性リンパ腫患者における診断時血清と臨床データを前向きに収集し、血清可溶型LR11値と治療奏効率、無病生存率との関係を示すことを目的としています。現在、急性白血病および悪性リンパ腫合わせて378例を収集しました。不適格症例を除き355例が解析対象となりました。全登録症例の初発時および治療後の血清可溶型LR11値はすべて測定を完了しました。現在症例データのクリーニング作業を進めています。さらに、腫瘍組織の免疫染色についても対象症例の収集を継続しており現在40例の登録を得ています。悪性リンパ腫の最も多い病型であるびまん性大細胞性B細胞型ついては97例を収集し、データ固定を完了しました。97例での解析結果から、びまん性大細胞性B細胞型リンパ腫の診断時血清可溶型LR11値は健常人コントロール比べて有意に高値となり、治療により寛解後は低下することを確認しました。また、血清可溶型LR11値は病期や腫瘍量に相関して上昇すること、診断時血清可溶型LR11値が高い症例は全生存率、無病生存率とも有意に低下することが確認されました。これらの解析結果は血清可溶型LR11と既知の予後因子と組み合わせることにより、研究目的であった新たな予後予測モデルの構築が可能なことを示すものとなりました。研究成果は2014年12月に開催された米国血液学会総会に発表し、現在、英文雑誌に投稿中です。
2: おおむね順調に進展している
平成26年度中にリンパ腫症例の解析結果を終え、研究目的であった新たな予後予測モデルの構築が可能であることを示した。
悪性リンパ腫における血清可溶型LR11の予後予測因子としての研究成果を英文雑誌に掲載し、新たな予後予測モデルを世界に向けて発信する。急性白血病症例における血清可溶型LR11の予後予測因子としての有用性を示す。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)
Leukemia and Lymphoma
巻: 印刷中 ページ: 1-4
10.3109/10428194.2015.1016930
巻: 55(10) ページ: 2391-2394
10.3109/10428194.2014.880430