研究課題
申請者は、赤血球系の造血因子であるエリスロポエチン(EPO)にヘパリン親和性モチーフを導入し、ヘパリン親和性EPO(HEPO)の合成に成功している(特願2008-323611)。またHEPOの特性として、EPO活性の保持とヘパリン親和性の獲得を確認している(特願2012-543009、国際出願PCT/JP2009/071095)。今回の研究では、ヒトHEPO(rhHEPO)の安定発現株(stable transfectant)を確立し、その生物学的特性を検討して、①長期作動性造血剤、②組織・血管内皮保護剤、③抗腫瘍剤(血管増殖阻害剤)としての臨床応用に向け、必要な基礎データを固めることを目的とした。初年度から次年度にかけて、安定発現株の作成と大量培養系および蛋白精製系の確立のため、①ヒト特有の糖鎖構造の重要性を踏まえ、バキュロウイルス・昆虫細胞系からヒト細胞株による発現系を作成すること、②安定発現株(stable transfectant)を樹立すること、③浮遊細胞培養系を確立し、大量培養を行うこと、④精製手法を確立し、本新薬の安定生産を確立すること、を計画していた。そのために、過去の研究結果を集計、解析し、その結果をデータベース化して、今後の研究を進める上での方向性の検討と問題点の確認を行った。さらに、新規発現系に移行する前段階の評価として、既存の発現系によるrhHEPNの培養と精製、測定などを進めてきた。
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