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2013 年度 実施状況報告書

BCRーABL陽性白血病に対する新たな治療標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 25461424
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

岩崎 浩己  九州大学, 大学病院, 准教授 (20403925)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード白血病幹細胞 / 慢性骨髄性白血病
研究概要

平成25年度研究では、慢性期CML幹細胞における治療標的候補分子の抽出を目指す研究を行った。
初発慢性期CML患者骨髄細胞中の幹細胞分画および骨髄球系前駆細胞分画をFACSで純化し、FISH法をもちいて詳細に解析した。CD34陽性CD38陰性の幹細胞分画の比率はすべての慢性期CML患者で減少しており、さらに同分画中のBCR-ABL陽性CMLクローンの比率には症例によって大きなばらつきが認められた。驚くべきことに、幹細胞分画中のCMLクローンが10%以下しか存在しない症例も多数認められた。一方、すべての慢性期CML患者でCMP分画が拡大しており、同分画の90%以上がBCR-ABL陽性CMLクローンで占められていた。つまり、CMLクローンはcommon myeloid progenitor (CMP)分画で正常細胞に対する増殖優位性を獲得することが明らかとなった。興味深いことに、幹細胞分画中のCMLクローン存在比率とSokal scoreに正の相関が認められた。
つぎに、純化した慢性期CML幹細胞および各前駆細胞の遺伝子発現を、マイクロアレイをもちいて正常対照と比較した。CMLクローンが増殖優位性を獲得するCMP分画において、特徴的な遺伝子発現パターンが認められ、なかでも、顆粒球分化に重要な転写因子群の一部に強い発現抑制が認められた。IRF8もそのうちのひとつであり、IRF8ノックアウトマウスはCML様の骨髄増殖性疾患を発症することが知られていることから、ヒトCML細胞の増殖優位性獲得にIRF8の発現抑制が関与する可能性が示唆された。現在、IRF8の発現が抑制されるメカニズムについて、non-coding RNAの関与を中心に解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

慢性期CMLの病態形成に関わる候補遺伝子をヒト検体から抽出することに一定の成果を収めた。

今後の研究の推進方策

(1)慢性期CMLにおけるIRF8の機能解析を継続する。
(2)Ph-ALLにおける治療標的候補分子の抽出を平行して行う。
高度免疫不全マウス(NRGマウス)を用いた異種移植システムにおいて、CD34陽性CD19陽性Ph-ALL細胞分画が高いキメリズムでの白血病生着をもたらすことを確認している。このPh-ALL異種移植マウスをTKI投与群と非投与群に分けて、CD34陽性CD19陽性の白血病幹細胞分画を高度に純化し、遺伝子発現プロファイルを比較解析する。リファレンスとして、ヒト臍帯血を移植したマウスから得られる正常ヒトproB細胞(CD34陽性CD19陽性)を用いる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] INITIAL OCCUPANCY OF LEUKEMIC STEM CELL CORRELATES WITH PROGNOSTIC FACTOR IN CHRONIC MYELOID LEUKEMIA PATIENTS2013

    • 著者名/発表者名
      Hiromi Iwasaki
    • 学会等名
      第18回ヨーロッパ血液学会
    • 発表場所
      ストックホルム、スウェーデン
    • 年月日
      20130615-20130615
  • [備考] http://www.1nai.med.kyushu-u.ac.jp

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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