幹細胞分画のBCR-ABL陽性クローン比率は、100%から僅か1-2%と症例により様々である。このことは、すべてのCML幹細胞が増殖優位性を示すものではないことを意味している。一方、すべての症例でCMPが著明に増加しており、この分化レベルで増殖優位性が獲得される。CML由来CMPでは転写因子IRF8の発現が著明に低下しており、このことが増殖優位性獲得に関与している可能性がある。幹細胞分画中のBCR-ABL陽性クローン比率はSokal scoreと正の相関を示し、さらに巨核球前駆細胞数とも強い正の相関がある。従って、CML幹細胞のクローン拡大に巨核球ニッチが何らかの役割を担っている可能性がある。
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