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2015 年度 実施状況報告書

エクソソーム分泌タンパク質群(TSLC1/CAV1)を用いたATL病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 25461426
研究機関九州保健福祉大学

研究代表者

西片 一朗  九州保健福祉大学, その他部局等, 教授 (50253844)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードExosome / ATL / CADM1 / HTLV-I Tax / NF-kB / p47 / CAV1 / prostate cancer
研究実績の概要

昨年度に引き続き、CADM1高発現に関与する抑制因子p47発現の阻害については、同因子自身のプロモーターメチル化とHTLV-I Taxの介在に関する詳細な検討結果を報告した(H27癌学会・名古屋)。

一方、昨年度の実績で、不可としたCAV1検出の改善を図るべく、解析精度の向上を目指し、以下、変更点を2つ導入した。(1) Exosome解析で必須とされるウシExosome不含FBSにつき、これまで使用した自家製調製品を止め、メーカーにて確認済みの同等品を用いた細胞培養系からの、ATL細胞由来ヒトExosomeの調製法を確立した。(2) 常法とされる超遠心沈殿回収法の精製度を見直すため、最近市販されたMagCapture Exosome Isolation KIt PS を用いたExosome分画精製法を用いて得たExosome標品を、現行標品と比較した。数多くの市販精製キットは、エクソソームマーカーとされる表面タンパク質に反応する抗体の結合能に依存しており、細胞毎のExosomeでのマーカー蛋白質の含量差による解析結果のブレが指摘され、回収後も抗体が常に付きまとい、これを除く過激な解離処理による影響も想起される。これと一線を画し、Exosomeが脂質二重層からなる微粒子である基本存在様式に着目した本キットでは、リン脂質反応性の特異分子で回収、キレート剤によるマイルドな条件での溶出を可能とする回収法である。

現在、得られたExosome標品を解析中である。少なくとも、粒度分布解析装置・ナノサイトで解析・評価したところ、そのほとんどが100nm付近に集積される純度であることが判明した。これは、他のがん細胞由来のExosomeでも数多く報告される結果と一致していた。今後、この手法で得た、Exosome標品で、再度、検討を施し、特異性の高いCAV1検出法の確立に結び付ける予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

課題研究遂行期間中、事前に想定されなかった、前施設における耐震化工事に伴う複数回のラボ移動と同スペース縮小の影響があまりにも甚大であり、途中から、所属研究機関を変更してまで対応するも、未だにバックアップできない状況である。特に、研究活動に用いる実験データやサンプルの帰属、さらには、その管理にかなりの制限が生じたため、スムーズな研究活動状況が得られず、遅延したのは、事実である。

今後の研究の推進方策

現在も、研究の進捗状況は厳しい。しかしながら、新たなコストが発生したものの、培養細胞株の再確保、細胞培養の条件の改善、Exosomeの回収精製方法の改善等が軌道に乗り、粒度分布解析の実施、免疫電顕法による解析の開始等、研究ペースは、著しく、改善しており、課題達成の可能性は、あると思われる。

これまでの検討から、ATL細胞特異的に分泌されるExosomeを同定する上で、CAV 1は極めて重要なマーカーである。しかしながら、今のところ、高感度な手法を駆使するも検出できていない状況である。従って、より詳細にCAV1の存在様式を確認する必要があり、免疫電顕法による存在様式の確認を実施する。この結果を待って、超高感度測定システム・AlphaLISA法を用いた、Exosomeの非破壊試験が可能かどうかを判断したい。

次年度使用額が生じた理由

「免疫電顕法によるExosome観察」は、課題達成のための最終的な検討方向を決める重要な検討項目である。極めて技術的難度の高い手技であり、当該年度中に、開始できず、止むを得ず、越年しての再開となったためである。

次年度使用額の使用計画

すでに、「免疫電顕法によるExosome観察」の計画は、進展しており、これをまとめ次第、最終検討としての、測定に臨む予定であり、残額を消耗品代として、使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ATL細胞におけるCADM1高発現はp47発現阻害に働くHTLV1 Taxとプロモーターメチル化に依存する2015

    • 著者名/発表者名
      森下数広、西片一朗、中畑新吾、市川朝永、藤井雅寛、伊波英克、田中勇悦
    • 学会等名
      日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      Nagoya congress center (愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2015-10-08 – 2015-10-10

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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