研究課題/領域番号 |
25461429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 勉 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40404602)
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研究分担者 |
井山 諭 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50398319)
河野 豊 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80398320)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | GVHD / NB-UVB / Treg |
研究概要 |
CsA非投与群をコントロールとし、CsA投与単独群(以下、CsA群)、NB-UVB照射単独群(以下、NB-UVB群)とCsA投与およびNB-UVB照射併用群(以下、CsA+NB-UVB群)を比較した。コントロール群、CsA群、NB-UVB群、CsA+NB-UVB群のマウスはいずれもTBIの前に剃毛を行い、NB-UVB群とCsA+NB-UVB群には移植の1週間後から週に3回でNB-UVBの照射を行った。1回の照射量は1,000 mJ/cm2とし、背側からと腹側からの2回行った。照射には、フィリップス社製のNB-UVB蛍光管(PL-L36W/TL01)を2本搭載した装置を用いた。移植後、マウスの生死は連日で確認した。臨床的なGVHDの検討は週に2回行った。評価項目は、体重減少、姿勢(いわゆるhunching)、活動性、毛並み、皮膚の状態、とした。これらの指標はそれぞれGrade 0から2までの3段階で評価した(Blood 88; 3230-3239, 1996)。皮膚、肝臓、腸管については組織学的な検討も行った。組織はホルマリン固定とパラフィン包埋の後に薄切し、ヘマトキシリン・エオジン染色を行った。皮膚に関しては萎縮とリンパ球浸潤を、肝臓は門脈周囲へのリンパ球浸潤を、腸管は陰窩のアポトーシス細胞数を評価した(J Exp Med 194; 1433-1440, 2001)。更に、末梢血ではTregの解析を行った。コントロール群、CsA群、NB-UVB群、CsA+NB-UVB群のマウスから、NB-UVBの照射開始と同時に週1回の採血を行った。フローサイトメトリー法でCD4+CD25+FoxP3+のT細胞を分画し、これをTregとして半定量を行った。その結果、NB-UVB群ではTregの誘導とGVHDの改善が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に達成すべきと計画した内容はほぼ完了している。
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今後の研究の推進方策 |
●移植片へのNB-UVB照射によるGVHD予防効果 ドナーのメスC57BL/6マウスから大腿骨、脛骨および脾臓を摘出する。大腿骨と頸骨はその骨端を切離し、一端から注射針を用いて細胞培養液を骨髄腔へ注入することで骨髄細胞を放出させる。脾臓は細切することで細胞を遊離させ、組織片はフィルターで分離する。骨髄細胞と脾細胞の比を2:1で混合して1×108個/50 mLに調整し、これに対して0、500、1,000、1,500 mJ/cm2のNB-UVB照射を行う。照射後1×108個/ mLに調整し、これの0.2 mLをTBI終了後のレシピエントマウス尾静脈へ投与する。レシピエントのメスBALB/cマウスには総量8グレイのTBIを移植前処置として行う。移植の1週間前から2週間後まで、250 mg/Lのエリスロマイシンと320 mg/Lのゲンタマイシンを飲水に混合して投与する。移植の翌日からは、15 mg/kg/dayのCsAを腹腔内へ投与する。移植後、マウスの生死は連日で確認する。臨床的なGVHDの検討は週に2回行う。皮膚、肝臓、腸管については組織学的な検討も行う。更に、末梢血ではTregの解析を行う。移植の1週間後から週1回の採血を行い、フローサイトメトリー法でCD4+CD25+FoxP3+のT細胞を分画して半定量する。
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