研究課題/領域番号 |
25461434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
古川 雄祐 自治医科大学, 医学部, 教授 (00199431)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 多発性骨髄腫 / 間質細胞 / 接着耐性 |
研究概要 |
多発性骨髄腫の薬剤耐性には骨髄間質細胞との接着が重要である(接着耐性)。しかしながら、プロテアソーム阻害剤や接着分子・サイトカインに対する抗体によって接着を阻害しても抗がん剤耐性は完全には解除されない。本研究においては、骨髄腫細胞が産生するcirculating microvesicleに着目し、間質の相互作用とくに薬剤耐性におけるその役割とメカニズムを明らかにする。その上でcirculating microvesicleを治療標的とする方策を考案し、多発性骨髄腫の治療成績を向上させるための新たな分子基盤を提供することを目的とする。 Circulating microvesicle(cMV)には大きく分けてexosomeとmicrovesicleの2種類がある。前者が30~100 nm、後者が200~1000 nmとサイズが異なることから、ショ糖密度勾配遠心法によって別々に分離することが可能である。本研究においては、まず骨髄腫細胞がcMVを産生していることを確かめるため、間質細胞との共培養を行い、培養液をショ糖密度勾配遠心にかけてcMVを分離する。cMVの単離は、電子顕微鏡を用い、サイズと特徴的な形態によって確認する。プロテアソーム阻害剤や抗VLA-4抗体などで接着を解除した状態でのcMV産生を再現するため、培養はBoyden chamberを用いて直接の接着を避けた状態で行う。通常の共培養および骨髄腫と間質細胞それぞれを単独で培養した上清を同様に解析して対照とする。今年度は骨髄腫細胞と間質細胞の直接の接触・接触なしの共培養・骨髄腫単独での培養の3つの条件で培養を行い、それぞれの上清からのcMVの分離システムを確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験系の確立とcMVの単離までは成功したが、cMVに含まれる分子の解析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
単離したcMVよりタンパク質を抽出し、phosphoprotein arrayを用いて、どのような活性化シグナル分子が含 まれているかを解析する。またRNAを抽出し、cDNA arrayおよびmicroRNA array にかけて、含有されるmRNA・miRNAのパターンを同定する。培養前後の骨髄腫細胞および間質細胞で同様の解析 を行い、cMVに含まれる分子の由来を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末調整のため購入を控え、次年度にまわした消耗品があるため。 上記の支払いのため、早々に使用する。
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