研究課題
多発性骨髄腫の薬剤耐性には骨髄間質細胞との接着が重要である(接着耐性)。しかしながら、プロテアソーム阻害剤や接着分子・ サイトカインに対する抗体によって接着を阻害しても抗がん剤耐性は完全には解除されない。本研究においては、骨髄腫細胞が産生す るcirculating microvesicle(cMV)に着目し、間質の相互作用とくに薬剤耐性におけるその役割とメカニズムを明らかにする。その上でcirc ulating microvesicleを治療標的とする方策を考案し、多発性骨髄腫の治療成績を向上させるための新たな分子基盤を提供することを目的とした。骨髄腫細胞と間質細胞の直接の接触・接触なしの共培養・骨髄腫単独での培養の3つの条件で培養を行い、それぞれの上清 からのcMVの分離システムを確立した。分離したcMVよりRNAを抽出し、RT-PCRアレイを用いて、含有されるmicroRNAをスクリーニング した。その結果、骨髄腫由来のcMVにはmiR-155とmiR-135bが多く含まれていることが明らかとなった。それぞれについて機能解析を行い、miR-155がプロテアソーム阻害剤の感受性を規定することを見いだした。現在、そのメカニズムに関する詳細な検討を進めている。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件)
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