LPXNは細胞外からのシグナルを細胞内で伝えるアダプター分子である。ETV6-LPXNは急性骨髄性白血病の再発時に付加的に生じた融合遺伝子として同定され、白血病進行に関与したと推察される。ETV6-LPXNでは、分化の抑制は見られなかったが、G-CSFに対する増殖反応が亢進し、CXCL12に対して細胞遊走能の亢進が認められた。また、LPXNが細胞質に均一な分布を示すのに対しETV6-LPXNでは多量体化により点状の分布へと変化が見られた。ETV6-LPXNによりG-CSFに対する増殖性が亢進し、CXCL12に対する遊走能亢進による白血病ニッチへの関与の増強が、白血病悪化の機序と考えられた。
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