FLT3-ITDやKIT D816V変異はAMLに高頻度に認められ、予後不良因子として知られる。本研究では、膜輸送を阻害するchlorpromazine (CPZ)の抗白血病効果を検討した。 変異RTKは、細胞内で異所性に、異常なシグナルを伝達しているが、CPZは変異RTKの細胞内輸送を障害し、その活性や下流分子の活性を阻害することで、AML細胞の増殖、生存を容量依存的に阻害した。異種移植の系において、CPZの投与はAMLの生着を阻害し、AML幹細胞にも毒性を示した。一方、正常造血細胞への毒性は軽微であった。以上より、CPZはAML根絶における有望な薬剤であると考えられた。
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