研究課題/領域番号 |
25461445
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松下 正 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (30314008)
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研究分担者 |
竹下 享典 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (70444403)
鈴木 伸明 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (70637686)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | von Willebrand因子 / von Willebrand病 / AvwS / ADAMTS13 / マウスモデル |
研究概要 |
本検討においてはマウスVWFに結合して活性を阻害する抗体が必要であり、結合エピトープが血小板GPIb結合部位であるA1ドメインである方がよい。発現されたマウスVWFに対し保有する抗ヒトVWF抗体のスクリーニングを行ったところ抗体5D2がマウスVWFにヒトVWFに対するのと同程度に反応することが判明し、本検討に使用することとした。5D2はProtein Aカラムにて精製し、10µg/gマウス体重あたりを各モデルマウス尾静脈より直接投与することができる。一方、国立循環器病センター宮田敏幸博士から入手したADAMTS13-/-マウスに対しLdlr-/-Apob100/100マウスを交配開始、ADAMTS13を50%、0%に低下させた大動脈弁狭窄症モデルマウス作成を開始した。すなわちLdlr-/-Apob100/100をジャクソン研究所から凍結受精卵として提供を受け、本学附属動物実験施設において凍結受精卵を融解・移植 (凍結受精卵はジャクソン研究所が指定する融解法)した。レシピエントを偽妊娠として、精管結紮雄マウスと一晩同居後膣栓が確認された雌マウス (Jcl:MCH)を使用、麻酔処置し卵管に受精卵を常法により移植した。出産が得られたマウスをジャクソン研究所が指定するPCR条件にてgenotyping、ADAMTS13-/-マウスと交配させた。(山王堂公子技術補佐員)。Ldlr-/-Apob100/100マウスは低脂肪食飼育下においても大動脈弁に著明な圧較差を有する大動脈弁狭窄症が約30%に発症することが知られており、高脂肪食とすることによって、発症率は50%となる(Miller, 2011)。今後マウスは高脂肪食を与えつつ、経時的にマウス用心エコーにて大動脈弁を観察(竹下)、適切なタイミングで採血、検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデル①の作成についてはマウスVWFに結合して活性を阻害する抗体5D2の検討はすでに終了している。モデル②の作成についてはADAMTS13-/-マウスについては確保、Ldlr-/-Apob100/100マウスとの交配については若干の遅れが発生しているが、全体的には大きな遅延はない。
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今後の研究の推進方策 |
モデル1AvWS治療後のトロンビン生成能についてはDDAVP、rFVIIa投与後、各タイミングで採血、PPPを用いてトロンビン生成試験(TGT)を実施、モデル2(ASモデル)ではADAMTS13活性が過剰となっていると予想される。抗ADAMTS13抗体(commercially available)をASマウス尾静脈より投与、連日採血を行い、表2に掲げる各項目について検討する。特にVWFマルチマー解析、VWF:RCo活性を測定し、VWF:RCoが最も低下するポイントにてtail bleeding timeを測定する。
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