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2014 年度 実施状況報告書

免疫細胞における抗アポトーシス分子アナモルシンの役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25461449
研究機関大阪大学

研究代表者

柴山 浩彦  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60346202)

研究分担者 金倉 譲  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20177489)
織谷 健司  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70324762)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードアナモルシン / 炎症 / Bリンパ球 / 遺伝子改変マウス / 鉄・硫黄クラスター / RAS
研究実績の概要

アナモルシン(anamorsin; AM)は、当初、抗アポトーシス分子として我々の研究室で単離した分子であるが、最近では、鉄・硫黄(Fe-S)クラスターを形成する分子として、Bリンパ球やマクロファージなどの免疫細胞の機能にも関与していることを明らかにしてきた。本研究では、平成25年度(初年度)には主にAMトランスジェニック(Tg)マウスの脾臓から単離したBリンパ球を用いて検討したところ、LPSで刺激すると、正常Bリンパ球と比較して、むしろ増殖が低下していることが判明し、DNAマイクロアレイやウェスタンブロットなどの結果から、AMを過剰発現しているBリンパ球ではLPSによるRASの活性化が低下し、その下流のシグナル伝達分子であるERK1/2およびIκBのリン酸化が低下していることが判明した。平成26年度は、AMコンディショナルノックアウトマウスを作成し、CD19-Cre Tgマウスと交配することで、CD19陽性Bリンパ球のAMの発現を欠損させた場合のBリンパ球について検討した。その結果、末梢血、骨髄、脾臓の各分化段階のBリンパ球の数を調べたところ、成熟したBリンパ球の数が有意に低下していることが判明した。このことから、Bリンパ球の成熟・分化にAMが必須であることがわかった。また、その残ったBリンパ球をLPSで刺激すると、正常Bリンパ球よりも増殖が強い結果が得られ、AM TgマウスのBリンパ球のデータと合わせ考えると、AMはLPSによる刺激をネガティブに制御していることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

AMコンディショナルノックアウトマウスが予定通り作成され、Bリンパ球のAMを細胞特異的に欠損させる目的でCD19-Cre Tgマウスと交配させたところ、成熟したBリンパ球の減少と、残ったBリンパ球のLPSへの反応が亢進しているという、これまで継続しておこなってきた研究の成果と一致するデータが得られたため。

今後の研究の推進方策

今後は、AMコンディショナルノックアウトマウスを用いた実験を精力的におこなっていく予定である。特に、平成26年度に作成したBリンパ球特異的にAMを欠損させたマウス(CD19-Cre Tg-AM Flox/Floxマウス)を用いて、Fe負荷時の免疫能の評価をおこなう。すなわち、CD19-Cre Tg-AM Flox/FloxマウスにFeを負荷し抗体産生能の亢進やさらにLPS投与時の炎症所見の亢進がみられるか検討する。
また、今年度の研究では新たに、CD3-Cre TgマウスとAMコンディショナルノックアウトマウスを交配することで、Tリンパ球特異的にAMを欠損させたマウスも作成し、最初にTリンパ球の成熟・分化におけるAMの機能を検討した上で、そのマウスでの免疫反応を検討する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] The anti-apoptotic gene Anamorsin is essential for both autonomous and extrinsic regulation of murine fetal liver hematopoiesis.2014

    • 著者名/発表者名
      Tanimura A, Shibayama H, Hamanaka Y, Fujita N, Ishibashi T, Sudo T, Yokota T, Ezoe S, Tanaka H, Matsumura I, Oritani K, Kanakura Y.
    • 雑誌名

      Exp Hematol

      巻: 42 ページ: 410-422

    • DOI

      10.1016/j.exphem.2014.01.002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anamorsin, a novel caspase-3 substrate in neurodegeneration.2014

    • 著者名/発表者名
      Yun N, Lee YM, Kim C, Shibayama H, Tanimura A, Hamanaka Y, Kanakura Y, Park IS, Jo A, Shin JH, Ju C, Kim WK, Oh YJ.
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: 289 ページ: 22183-22195

    • DOI

      10.1074/jbc.M114.552679

    • 査読あり
  • [学会発表] An anti-apoptotic molecule, Anamorsin, is upregulated in anemia and essential for imperative erythropoiesis2014

    • 著者名/発表者名
      Tanimura A, Shibayama H, Hamanaka Y, Fujita N, Nagate Y, Ishibashi T, Saitoh N, Ichii M, Yokota T, Ezoe S, Oritani K, Kanakura Y
    • 学会等名
      The American Society of Hematology 56th Annual Meeting
    • 発表場所
      Moscone Center, San Francisco, CA, USA
    • 年月日
      2014-12-08
  • [学会発表] Anamorsin overexpression leads to dysregulation of lipopolysaccharide-stimulated B cell proliferation through Ras signaling2014

    • 著者名/発表者名
      Hamanaka Y, Shibayama H, Tanimura A, Yokota T, Ezoe S, Saito N, Ichii M, Matsui K, Sudo T, Ishibashi T, Doi Y, Nagate Y, Takemoto M, Oritani K, Kanakura Y
    • 学会等名
      The American Society of Hematology 56th Annual Meeting
    • 発表場所
      Moscone Center, San Francisco, CA, USA
    • 年月日
      2014-12-08
  • [学会発表] アナモルシントランスジェニックマウスを用いたアナモルシンの機能解析2014

    • 著者名/発表者名
      濱中有理,柴山浩彦,谷村 朗,横田貴史,江副幸子,齊藤則充,一井倫子,松井敬子,数藤孝雄,石橋知彦,土居由貴子,長手泰宏,竹本雅子,織谷健司,金倉 譲
    • 学会等名
      第76回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      大阪国際会議場, 大阪
    • 年月日
      2014-11-02
  • [学会発表] An anti-apoptotic molecule, Anamorsin, is upregulated in anemia and essential for erythropoiesis2014

    • 著者名/発表者名
      Tanimura A, Hamanaka Y, Fujita N, Nagate Y, Ishibashi T, Matsui K, Saitoh N, Ichii M, Ezoe S, Yokota T, Oritani K, Shibayama H, Kanakura Y
    • 学会等名
      第76回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      大阪国際会議場, 大阪
    • 年月日
      2014-10-31

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公開日: 2016-05-27  

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