研究課題
造血幹細胞移植の臨床検体を用い、現在各ドナーソース(HLA一致血縁、非血縁者間移植、臍帯血移植、ハプロ移植)での免疫再構築を、CD4およびCD8T細胞メモリー分画毎に、特にヒトメモリーT幹細胞分画(CD3+CD8+CD45RO-CCR7+CD45RA+CD62L+CD27+CD28+IL7Rα+CD95+)を中心に検討を行なっている。ヒトメモリーT幹細胞(Tmsc)が、マウスモデルで示されたような難治性GVHDの原因になっているかの検討について検討したが、その病的意義は少なく、予想に反して、免疫寛容に重要な役割が示唆された。他の移植ソースと異なり、特に,ハプロ移植の早期の免疫構築にTMSCが重要役割を果たしている可能性を示唆するデータをえており、同Tmsc細胞集団をソートし、遺伝子発現をマイクロアレイで検討、免疫寛容に関わる分子の同定をすすめている。また、他のドナーソースでは、長期の免疫再構築および慢性GVHDにTmscが重要であり、正常および病的なTmscの分子メカニズムの違いの検討もはじめている。
2: おおむね順調に進展している
造血幹細胞移植の臨床検体を用いた研究においては、ヒトではその役割が不明な部分が多いTmscの存在が確認され、正常免疫再構築における意義について、現象としてとらえることができた。今後は、そのメカニズムにせまる研究展開を行なっていく予定である。
ハプロ移植後早期のTmsc細胞集団をソートし、遺伝子発現をマイクロアレイで検討、免疫寛容に関わる分子の同定をすすめていく。また長期の免疫再構築および慢性GVHDにTmscの分子メカニズムの違いについても、TCR clonalityの解析をすすめ、急性期のものと比較する。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)
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