造血幹細胞移植(SCT)後の血栓性微小血管症(TMA)の予後を改善するため、von Willebrand因子(VWF)とADAMTS13を中心に病態解析を行い、早期診断のマーカーを検討した。SCT-TMA症例は、ADAMTS13活性が10%未満に低下している頻度は少なく(4.5%)、0.5%まで著減している症例は認めなかった。血小板血栓形成能が最も強い超高分子量VWFマルチマーがTMA発症前に出現すること、TMA発症時には高分子量VWFが欠損していることなどが判明した。さらに、早期診断のための診断基準として、ハプログロビン、補正血小板増加数などを用いたpre-TMA診断基準を作成した。
|