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2014 年度 実施状況報告書

特発性造血障害におけるNKG2Dリガンド発現の臨床的意義の確立

研究課題

研究課題/領域番号 25461457
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

花岡 伸佳  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40433370)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード特発性造血障害 / NKG2D免疫
研究実績の概要

特発性造血障害は、再生不良性貧血などの骨髄不全症候群(BFS)における致死的病態の一つであり免疫機序の関与が指摘されている。我々は、特発性造血障害の発生にストレス誘導型NKG2D 免疫が重要な役割を演じると指摘してきた。これまでに、多くのBFS 患者の造血細胞膜上にNKG2Dリガンドが病的発現していることを見出し、このリガンドが血球傷害性リンパ球の標的となることを確認した(Blood 2006;Br J Haematol 2009 & 2012)。さらに最近、BFS 患者の血漿中にもNKG2Dリガンド(遊離型)の病的発現を見出した。本研究では、血液難病の死因となる特発性造血障害における膜発現型および遊離型NKG2Dリガンドの病態生理学的意義を追究し、NKG2Dリガンド発現の臨床的意義の確立を目指している。
本年度は、これまでNKG2Dリガンドの中で、MICAのみ血漿中濃度測定法が確立していたが、ULBP1とULBP2の測定法も確立できた。この確立した方法により、これまで蓄積した約70名のBFS患者の血漿を解析した。遊離ULBP1発現は約20%、遊離ULBP2発現は約50%のBFS患者で認められた。顆粒球膜上のULBP発現も合わせると、健常人では見られないリガンド発現はどちらも約70%のBFS患者で認められることが判明した。また、遊離型NKG2Dリガンドが免疫細胞上のNKG2D受容体発現に与える影響についても解析も試みた。リガンド存在下での免疫細胞上のNKG2D膜発現変化や乳酸脱水素酵素(LDH)測定法を用いた免疫細胞の血球傷害実験の方法が確立できた。
今後、遊離型NKG2Dリガンドの免疫細胞に与える影響を確認して、NKG2Dリガンド発現が実際に特発性造血障害の免疫病態を直接反映する指標となりうるかの検証につなげていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

NKG2DリガンドとしてMICAに加えてULBP1とULBP2の解析が終了し、さらに当初より予定していたNKG2Dリガンドの免疫細胞への影響も解析が進んでいる。

今後の研究の推進方策

遊離型NKG2Dリガンドの免疫細胞に与える影響を確認して、NKG2Dリガンド発現が実際に特発性造血障害の免疫病態を直接反映する指標となりうるかの検証につなげていく。具体的には、NKG2Dリガンド膜発現による血球傷害誘導と遊離型NKG2Dリガンドによる血球傷害防止に関して、臨床データ(造血障害や免疫抑制療法効果など)を用いて検証する。さらに、BFS患者代表例のNKG2Dリガンド発現と造血障害の経時的変化を観察し、多症例解析により、NKG2Dリガンド解析が特発性造血障害の早期診断、免疫抑制療法の効果予測に有用であるか検討する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Cold haemagglutination in bone marrow2015

    • 著者名/発表者名
      Nobuyoshi Hanaoka
    • 雑誌名

      BloodMed.com

      巻: * ページ: Images 411

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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