血友病Aの遺伝子治療を目指して,凝固第Ⅷ因子の遺伝子をAAVベクターに搭載して発現させる検討を行った.この遺伝子は全長で約9kbあり,そのままではAAVベクターに搭載することはできないことから必須の部分のみに短縮し,短く肝臓特異的なプロモーターを用いてベクターを構築した.その結果,in vitro でもマウスを用いた検討でも凝固第Ⅷ因子の活性が得られた.しかしながらその産生効率は野生型相当の長さを持つものに比べて有意に低下しており,より短くかつ充分な発現が期待できるプロモーターの使用が望ましいものと考えられた.
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