造血幹細胞移植にはドナー由来白血病が知られている。ドナー由来白血病の存在は、白血病再発を含め移植後の同種免疫反応による特殊な骨髄環境が白血病発症に関与している可能性を示唆する。われわれは、(1)移植前後のドナー細胞の全エキソーム解析による遺伝子変異の探索、(2)ドナー・レシピエントに遺伝学的に規定される免疫反応分子の同定を行った。現時点ではドナー細胞への遺伝子変異の誘導は認められていないが、一方でマイナー組織抗原候補を多数同定できており同種免疫反応への関連が推測される。さらに、移植療法において個別に同定され得るマイナー組織抗原には免疫療法の標的としての可能性が期待される。
|